「帳簿って一体なんなの?」
「フリーランスエンジニアはどのように帳簿をつければいいの?」


このように、フリーランスエンジニアとして活動を考えている方には疑問があるのではないでしょうか。


本記事では、帳簿についての基本的な情報や帳簿をつける際に役立つ知識などを紹介していきます。


この記事を読むことで、フリーランスエンジニアの方が帳簿をつける際の基本の知識や、会計ソフトに関する情報を得ることができます。その知識をもとに、しっかりと帳簿をつけられるようになれば、フリーランスとして活躍していくための不安が減ることでしょう。


フリーランスエンジニアとして活動していきたいと考えているが、帳簿について不安を抱えている方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。

そもそも帳簿とは?

事業における取引やお金に代表される資産の動きを記録するための台帳を帳簿と呼びます。


年間の所得が一定額を超えるなどの条件を満たした場合、フリーランスエンジニアは確定申告を行う必要があり、確定申告をする場合は年間の取引について帳簿を作成します。


フリーランスエンジニアとして活躍していくためには、帳簿の正しい知識が必要であるため、しっかりと学んでいきましょう。

覚えておきたい帳簿の種類

帳簿には様々な種類があり、主要簿と補助簿に大別されます。


主要簿は、どのフリーランスエンジニアにも必要な帳簿のことです。一方、補助簿は必要な場合のみ作成し、主要簿のみでは管理できない状況を補助的に記録します。


それぞれの帳簿の役割を理解し、確定申告に必要な帳簿を正しく用意できるようにしましょう。

「主要簿」

主要簿は、「総勘定元帳」「仕訳帳」「日記帳」の3種のことを指します。会社や個人事業主が日々の全ての取引をこれらに記入します。


日記帳は日々の取引について発生順に記入していく備忘録のようなものです。日記帳は作成を義務付けられているわけではありません。


総勘定元帳と仕訳帳の作成は法律で義務付けられています。


出典:会社法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417AC0000000086

取引を勘定科目でまとめる「総勘定元帳」

日々の各取引を勘定科目ごとにまとめて記録したものが総勘定元帳です。仕訳帳から「転記」という作業を通じて情報を移すようにして作成します。


「現金」「売掛金」などの勘定科目ごとに総勘定元帳が存在します。したがって、現金の流れを確認したいときなど、特定の勘定科目の情報のみを確認したいときに役立つことが特徴です。


会計ソフトを使っている場合は、仕訳帳から総勘定元帳に自動的に転記がなされて便利です。

取引の内容を日付順に記載する「仕訳帳」

仕訳帳は総勘定元帳を作成する際の参照元となる重要な帳簿です。日々の全ての取引を発生の日付順に記入していきます。


売上の発生、資産の減少、負債の増加などの取引を複式簿記という手法を用いて記入していきます。複式簿記では貸方と借方の2つを記入することが必要です。


仕訳帳の内容をもとに総勘定元帳を作成します。したがって、Excelを使用する場合も、クラウド会計ソフトを使用する場合も、仕訳帳に誤った情報が記入されると総勘定元帳にも誤った情報が記入されてしまうので気をつけましょう。

「補助簿」

補助簿はその名が示す通り、主要簿を補助する役割を持つ帳簿です。総勘定元帳などの主要簿とは異なり、作成は義務ではありません。


現金は、ビジネスにおいてとても大切なものです。この現金の増減に関する帳簿が現金出納帳であり、補助簿の一種です。仕訳帳では現金の流れのみを詳しく把握することができません。現金出納帳を使うことで把握しやすくなります。


業種により必要な補助簿は異なります。自分のビジネスに適した補助簿を作成しましょう。

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フリーランスエンジニアの帳簿付けが必須である理由

個人事業主として活動されているフリーランスエンジニアの方は、年間の事業所得について税務署に確定申告を行う必要があります。


また、個人事業主としての開業届を税務署に提出されていない場合、フリーランスエンジニアとしての収入は雑所得に分類されます。この雑所得が年間20万円を超える場合も確定申告が必要です。


確定申告においては帳簿の作成と保存が義務付けられています。したがって、フリーランスエンジニアとして収入を得ている場合、帳簿付けが必須です。


出典:確定申告|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2020.htm

フリーランスが帳簿をつける際に知っておきたいこと

確定申告には青色申告と白色申告の2種類があります。また、簿記のつけ方も2種類あり、発生主義と現金主義といった用語も重要です。デジタル化が進んだ現代の事情に合わせて、電子帳簿保存法という法律も施行されています。


これらについての知識は、フリーランスエンジニアが確定申告を行う上で重要な知識です。しっかりと学んでおきましょう。

「青色申告」と「白色申告」の違い

青色申告を行った場合、青色申告特別控除として最大65万円の所得控除を受けることができます。青色申告の場合、複式簿記での記録が必要です。


仕訳帳などの帳簿や、領収書などの書類を原則7年間保存する必要があります。請求書などの一部の書類の保存期間は5年間とされています。


白色申告を行った場合、青色申告とは異なり特別控除を受けることはできません。しかし、複式簿記での記録が不要で、手間が少ないことが特徴です。


「収入金額や必要経費を記載した帳簿」に関しては7年間の保存が必要です。それら以外の帳簿や、領収書などの書類に関しては5年間の保存でいいとされています。


出典:青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm


出典:白色申告者の記帳・帳簿等保存制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2080.htm

「簡易簿記」と「複式簿記」の違い

帳簿をつける方法には簡易簿記と複式簿記の2種類が存在します。記入する事項の数や、青色申告において利用可能かどうかの違いなどがあります。


どちらの方法が適しているかは状況によるため、まずはそれぞれの特徴を知っておきましょう。

単式簿記ともいわれる「簡易簿記」

簡易簿記は複式簿記に比べてシンプルであることが特徴です。現金出納帳を簡易簿記で記入する場合、現金の増減額とその増減の要因を記録します。記録内容が少なく、記録に関するルールも単純であるため、簿記の知識がなくても簡単に帳簿を作成できることが特徴です。


ただし、青色申告特別控除の適用を受けようとする場合は、簡易簿記での申告は認められておらず、複式簿記での申告が必要です。

所得以外の財産なども明らかにする「複式簿記」

複式簿記は、借方と貸方の2列を用いて取引の記録を行う方法のことです。


単式簿記の場合、現金がいくら増減したのかということのみしか記録しません。一方、複式簿記の場合、現金が増えた原因は資産の増加なのか負債の増加なのか、現金が減った原因は負債の減少なのか費用の発生なのか、というように1つの取引を2つの側面から記録します。


複式簿記の場合、資産や負債などの所得以外の財産情報を記録した貸借対照表を作成することができます。

「発生主義」と「現金主義」という考え方の違い

発生主義とは、取引が発生した時点で金額の計上を行う方法のことです。現金の受け渡しがなくても計上を行います。発生主義を用いると、減価償却のような現金の支出を伴わない取引も扱うことができるため便利です。


現金主義とは、現金の受け取りや支払いが完了した時点で金額の計上を行う方法のことを指します。現金のやり取りを伴わない取引の記載ができないため、架空売上の計上などの不正行為がしにくい点などがメリットです。

帳簿を電子データで保存できる「電子帳簿保存法」

電子帳簿保存法により、決算書類や仕訳帳などを電子データにて保存することが認められています。


ただし、データの訂正や削除を行った履歴が確認できること、通常の期間を経過した後に行った帳簿の記入があった場合にそれが確認できること、などの条件を満たした会計ソフトしか使用が認められていないため注意しましょう。


また、国税関係書類の全部または一部を、一定の要件を満たせば、スキャナにてデータ化して保存することも認められています。


出典:電子帳簿保存法の概要|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/02.htm

フリーランスが帳簿をつけるときの基本的な流れ

確定申告を行う場合、1月1日から12月31日までの期間で計算を行い、翌年の2月16日から3月15日までに申告を行います。


確定申告の時期に焦らなくて済むように、普段から帳簿に売上や支払いなどの取引を記録しておきましょう。また、フリーランスエンジニアの仕事を行う中で発生した領収証や請求書もファイリングするなどしてしっかり保存しておくことが大切です。


分からないことがあったり、帳簿に記録する取引が膨大になったりする場合は、税理士に相談しましょう。


出典:確定申告|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2020.htm

帳簿をつける前に理解しておきたい用語

帳簿に関しては様々な用語が存在します。帳簿を正しく作成するためにも最低限の用語については覚えておきましょう。


白色申告においては、小売業などの業種であれば1日の売上の合計額のみを記帳してもいいことになっています。また、白色申告においては、収支内訳書などを税務署に提出します。


青色申告においては、色々な帳簿の作成が必要であり、売掛帳もその一種です。売掛帳は、売上先ごとに掛取引の記入を行う帳簿のことを指します。取引先ごとの売掛金の詳細が簡単に分かるため、売掛金管理において便利でしょう。

フリーランスが青色申告と白色申告で迷ったときの考え方

青色申告では複式簿記での帳簿付けが義務付けられているため、作業が複雑になりがちです。帳簿付けの手間を減らしたい人には白色申告が向いているといえます。


青色申告は白色申告とは異なり、一定の条件を満たすことで最大65万円の特別控除を受けることができます。他にも赤字の繰越が可能であることなどのメリットがあるため、年間の収入が青色申告特別控除の65万円を超えるような場合は、青色申告の選択を検討しましょう。


出典:青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

フリーランスが帳簿をつけるときに役立つもの

フリーランスエンジニアが帳簿をつける際に、帳簿についての知識や帳簿入力を助けてくれるソフトウェアなどがあれば便利でしょう。


国税庁が情報を提供してくれたり、会計ソフトの会社が確定申告に役立つソフトウェアを提供してくれたりしています。


ぜひ帳簿をつける際に役立ててください。

国税庁が配布しているパンフレット

帳簿の記帳の仕方などは、国税庁が公式ホームページや税務署を通じて情報提供してくれています。


国税局が外部委託方式で記帳指導を行っており、記帳の指導を受けることができます。興味がある方は税務署に問い合わせてみてください。


また、記帳の仕方について説明がなされたパンフレットを国税庁が配布しています。税務署に行かずともインターネットで取得できるため便利です。

freee株式会社「freee会計」

freee会計は、freee株式会社が提供しているクラウド型の会計ソフトです。確定申告における帳簿類の作成や提出をとても簡単な操作のみで行うことができます。レシート画像を自動で読み取って帳簿に反映させてくれる機能もあります。


月額の利用料が発生するものの、手書きに比べると正確性や簡便性の面で優れているため、青色申告を行うつもりの方は利用を検討してみてください。

弥生株式会社「やよいの青色申告オンライン」

やよいの青色申告オンラインは弥生株式会社が提供している会計ソフトです。詳しい帳簿の付け方が分からなくても、テンプレート通りに情報を入力するだけで確定申告に必要な帳簿類の作成が行えます。


また、インストールの必要のないクラウド型のため、出先でもスマートフォンのアプリなどから入力可能です。


セルフプランであれば、初年度は無料で利用できるため、初心者のフリーランスエンジニアにもおすすめです。

クリエイティブ ワークステーション「フリーランスのための超簡単!青色申告」

この書籍はフリーランスでお仕事をされている方向けに書かれた青色申告の書籍です。経理に詳しくない方が青色申告を行う際に役立つ情報が記載されています。


また、Window用のみではありますが、読者特典の青色申告ソフトが付属していてお得です。

40代~60代のシニアエンジニアのための求人サイト『SEES』

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フリーランスとしてしっかり帳簿をつけよう

本記事では、フリーランスエンジニアとして活動していくために必要な帳簿の知識を紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。


フリーランスエンジニアとして活躍していくためには、プログラミングの知識だけでなく、帳簿の知識も必要です。今回ご紹介した知識をもとに更に学習し、確定申告に際して問題が発生しないようにしましょう。

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この記事の監修

株式会社Miraie

2007年設立のシステム開発会社。首都圏を中心にWeb・IT関連事業、コンサルティングサービス、人材派遣サービスなどを展開。
SES事業や受託開発などを中心にノウハウを蓄積しながら、関連事業へとビジネスの裾野を広げています。

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