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Linuxをマスターしたいと考えていても、どれを選んだらよいかわからないという方も多いでしょう。本記事では、初心者向けのLinuxやおすすめのLinuxについて詳しく紹介しています。記事を参考にして、自分に合うLinuxディストリビューションを見つけましょう。
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目次
「これからLinuxをマスターしたい」
「Linuxの案件を手掛けてみたいけれど、どうすればいいのだろう」
など、Linuxに興味のあるエンジニアやデザイナーの中には、種類の多いLinuxディストリビューションからどれを選べばよいのかという悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Linuxディストリビューションの系統別解説を始め、選び方や初心者におすすめのものまでを紹介しています。
本記事を読めば、各Linuxディストリビューションの特徴から選び方まで把握できるため、自分に合うLinuxディストリビューションをスムーズに選択できるようになるでしょう。
これからLinuxを始めてみたいと考えている方は、是非この記事をチェックしてみてください。
「Linuxディストリビューション」とは、Linuxカーネルとその他ライブラリなどのソフトウェアを利用目的に沿って1つにまとめ、初心者でも簡単にインストールして利用できるようにしたものです。
WindowsやMacのような1つのOSではなく、Linuxディストリビューションの数だけ種類があるのが特徴です。
そのため、どれか1つを選ぶためには、各Linuxディストリビューションの特徴を知っておく必要があります。
Linuxは、元々一人の学生が自分の勉強用に作ったOSだったと言われています。
自分の作品をより良いものにしようと、作者がそのOSにオープンソースライセンスをつけて公開した結果、さまざまなLinuxディストリビューションが生まれました。
中には他のLinuxとは関連のないものもありますが、その多くは派生系と呼ばれ、サイトで系統図が作られるほどに系統がはっきりしています。
ここでは、Linuxディストリビューションの中でも、主な7つの系統を紹介しましょう。
RedHatを祖とするグループで、RedHat自体は有料のLinux内ではシェアが高く、主に業務用サーバーで使用されています。
Red Hat Enterprise Linuxは有料ですが、派生形であるCentOSやFedoraなどは無償で提供されている上に、パッケージ管理ソフトにRPM系を使用しているためインストールも簡単です。
「仕事で使うならRedHat」と言われるほど、参考書などの書籍も多く出版されており、定評のあるLinuxです。
Debian系と言われるUbuntuやLinux mintはDebianを祖とするグループで、世界中のボランティアが集まって開発を進めているのが特徴です。
100%フリーソフトをポリシーとした安定性のある質の高いOSで、日本語にも対応しているため、ネットに情報が豊富にあり、初心者のサーバー構築におすすめです。
シンプルなSlackwareを祖とするグループで、Linuxディストリビューションの中でも歴史が古いOSです。
他のLinuxディストリビューションが採用しているinitシステムを搭載せず、シンプルな設定ファイルで管理する方法を貫いているのが特徴です。
安定性も高く、速度やセキュリティ面での評価は高いものの、自動化された部分が少なく、ユーザーが自分で判断する部分が多いため、初心者には難しいと言えるでしょう。
SUSEは、主にヨーロッパ市場を対象とするドイツ企業です。
「openSUSEプロジェクト」が開発したopenSUSEは、高い汎用性を持っているLinuxディストリビューションとして知られています。
通常リリース版のLeapと、最新のLinuxを提供するTumbleweedの2種類がありますが、初心者には安定性重視であるLeap版がおすすめです。
Arch Linuxを祖とするグループで、簡潔で軽く、高速で動くのが特徴です。
基礎環境を自分でインストールするため、カスタマイズ性に優れていますが、その性質ゆえに初心者向きではありません。
最近では、派生系の中に初心者が導入しやすいものも増えてきているため、どの派生系を選ぶか判断が必要でしょう。
Gentoo Linuxを祖とするグループで、他の多くのLinuxディストリビューションと異なり、パッケージをソースコードからビルドするといった特徴があります。
派生系Linuxディストリビューションの中にはバイナリパッケージを扱えるものもあり、有名なOSであるGoogle Chromeも、このGentooがベースです。
なお、Gentoo系のインストールの難易度は最上級のため、おすすめとは言えませんが、インストール後の管理はインストール作業ほど難しくないでしょう。
フランスの企業Mandrakesoftで、RedHatを元にして開発されたLinuxディストリビューションです。
開発当初はLinux Mandrakeと呼ばれていましたが、MandrakeSoftがブラジルのConectiva社を買収し、Mandrivaに社名変更したことからMandriva Linuxと呼ばれるようになりました。
その後、開発会社が倒産し、現在では開発も終了しています。
普通のPCとして使うのか、仕事でLinuxサーバーとして使うのかによって、選択するLinuxディストリビューションは違ってきます。
たとえば、仕事として使うのであれば、有償であっても動作に定評のあるRedHatなどを選ぶなど、使い方や目的をはっきり認識することが、Linuxディストリビューションを選ぶ上での最重要ポイントと言えるでしょう。
Linuxはとても軽く作られているため、多少スペックが落ちるPCであっても問題なく動くのが魅力です。
そのため、自分用のPCとしてLinuxが使いたければ、初心者向けであるDebian系などがおすすめでしょう。
仕事用か自分用かでLinuxディストリビューションの選択肢を絞れますが、もう1つの大事なポイントは、今のスキルで使いこなせるかです。
いくら自分用で普通のPCとして使いたくても、説明文は全て英語で、インストールが難しかったり、困った時に助けを求める方法すらわからなかったりでは、ストレスが溜まる一方でしょう。
特に、これからプログラミングなどのスキルを身につけて稼ぎたいと考えるのであれば、初心者向けのLinuxディストリビューションを選択することをおすすめします。
パッケージはRedHat系同様RPMですが、RedHat系のパッケージ管理方式とは違い、コマンドラインでの管理です。
PC環境もGNOMEなど複数から選択できる上に、GUIインストーラも日本語で、日本語の表示や入力もインストール直後から問題なく使えます。
openSUSEには、常に最新パッケージが使える経験者向けのTumbleweedがありますが、初心者なら安定版のLeapがおすすめです。
Mageiaはフランスで開発されたLinuxディストリビューションで、現在は開発が終了したMandrivaの従業員から成るグループが開発を担当しています。
「誰もが使いやすいLinux」を目指していたMandriva LinuxがGUIに徹していたため、MageiaもGUIに徹しています。
パッケージ管理システムはRedHat系のRPMで、インストールも最初から日本語で表示されるように作られているため、まずは日本語環境でLinuxを始めたい初心者におすすめです。
普通のパソコンとして使いたい場合に、真っ先に名前が上がるUbuntuは、Debian系の中でも人気の高いLinuxディストリビューションです。
Ubuntuはズールー語の「あなたがいてくれるから私がいる」という言葉で、思いやりとかおかげさまという意味があります。
その名の通り、画面もシンプルでデザイン的にも美しく、インストール後すぐに使えて、オープンオフィスなども既に入っているといった親切な作りになっています。
日本語Remix版もある上に、フォーラムも初心者に優しく、ネットにも情報が多く存在しているため、初心者にはおすすめです。
ferenOSには、WindowsやMacからスムーズに乗り換えられる、Feren OS Transfer Toolというファイル移管ツールが備わっています。
OS全部を更新せずに利用可能なパッケージの一部を更新する、疑似ローリングリリース方式を採用しているのが特徴です。
インストールも日本語表示で、インストール後の日本語入力も問題なく作られているため、初心者にはおすすめです。
PC用OSとしてはWindows、macOS、Ubuntuに続いてユーザ数が多く、現在600万人ものユーザーがいると言われています。
インストール直後から、日本語表示も入力も問題なく使い始められ、画像編集ソフトのGIMPも使えます。
軽量で設定も簡単で使いやすい上に、MicrosoftOffice2003風の画面でMicrosoftOffile2010にも対応しているため、WindowsユーザにおすすめのLinuxです。
シンプルなデザインで日本語表示も問題なく、画面デザインも独自ツールでカスタマイズできるOSです。
WindowsやMacから移行してくるユーザーを意識したメディアコーデックが導入されているのが特徴で、通常版とLite版があります。
Lite版はとても軽く作られているため、初心者におすすめです。
自由度が高く作られているLinuxは、慣れてくると自分が使いやすいようにカスタマイズしたくなるOSと言えるでしょう。
その欲求に応えるように、Linuxには多くのディストリビューションが用意され、欲しいソフトウェアは無料で、アプリケーション開発したいと思い立った時に必要な環境が全て搭載されています。
WindowsやMacではできない楽しみ方ができるのも、Linuxディストリビューションならではの特徴と言えるでしょう。
Fedoraは、元々一般向けの「Red Hat Linux」でしたが、RedHat社から「Fedora Project」というコミュニティーに移ったタイミングで「Fedora」と改称されました。
Fedoraで検証された成果は、Red Hat Enterprise Linuxに取り込むことになるため、最新パッケージの導入が多く行われています。
ただし、フリーではないライセンスはポリシーとして含まないため、ユーザーはオプションを自分で登録する必要があることには注意が必要です。
日本語環境に関しては、インストール時、インストール後の表示、入力すべて問題なく使用できます。
Fedora同様、openSUSEの成果はSUSE Linux Enterprise(SLE)に還元される仕組みになっています。そのため、Tumbleweedでは常に最新パッケージが使えることがメリットと言えるでしょう。
openSUSEのパッケージはRedHat系と同じくRPMですが、Red Hat系のパッケージ管理方式とは異なり、GUI、コマンドラインでパッケージ管理を行うなど、早い段階からコマンド操作に頼らないツールを開発してきました。
インストーラは日本語GUIのため、日本語の表示・入力に関してはインストール直後から特に設定なしで使えます。
SabayonはGnetooがベースのLinuxディストリビューションですが、GUIのインストーラと導入後すぐ使える環境を備えています。
特に、インストールはウィザード形式の日本語のため簡単にできる他にも、バイナリ形式のパッケージ管理とソースコードからのビルド両方とも利用可能です。
ArcoLinuxは、Arch LinuxをベースとしたLinuxディストリビューションです。ArcoLinux独自開発である、主に外観部分に関係するツール群が搭載されているのが特徴と言えるでしょう。
インストールは初心者用と経験者向けがあり、初心者向けは非常に簡単ですが、経験者向けではより詳細なシステム設定ができます。
どこまで自分で設定したいかによって、L、S、D、Bの初期インストールメディアがあるのもArcoLinuxの特色でしょう。
EndeavourOSは、Arch LinuxをベースにしたGUIインストーラや便利なツール郡が搭載されたLinuxディストリビューションです。
Arch Linuxの持つ透明性やシンプルさ、ローリングリリースの特徴を活かしながら、インストールの煩雑さを無くそうとしているのが特徴です。
Arch Linuxは中級者以上が対象ですが、EndeavourOSは環境構築が容易で、インストール後は公式パッケージとArch User Repositoryが使用できます。
OpenMandrivaは、倒産により開発終了したMandrivaから派生したLinuxディストリビューションです。
OpenMandriva Association が主催しており、ヨーロッパでは根強い人気を保ち、フル機能の Linuxとしてリリースが続けられています。
操作性については、エキスパートであれば問題ないレベルのため、初心者のための環境はあまり揃っていないのが特徴です。
Linuxは、さまざまなサービスを提供するためのサーバーが構築できます。
物理的に1台しかないLinuxサーバーでも複数のサーバー機能が提供でき、複数台のLinuxサーバーで1つのサーバー機能を持たせることも可能です。
ここでは最後に、サーバー用途としておすすめのLinuxディストリビューションを紹介しましょう。
CentOSは、RedHatの有償部分を取り除いた安定的に使えるOSで、その安定性が評価され、企業のサーバーとして多く使われてきました。
仕事に使うためにLinuxを習得したい人や、Linuxを扱えるエンジニアになりたい人におすすめでしたが、2021年末をもって開発とサポートが終了しています。
特に開発者に大きな衝撃を与えた発表でしたが、ユーザーも他のOSへの移行を考える必要に迫られた一大事件だったと言えるでしょう。
AlmaLinux OSは、上述のCentOSの開発終了発表直後から、CentOSの後継として注目されているLinuxディストリビューションです。AlmaLinux OSは「永久に無料」が謳い文句となっています。
AlmaLinux OSは、Microsoft Storeからインストールでき、Windows10や11のスタート画面から実行できる「Windows Subsystem for Linux」です。
最新バージョンの「Windows Terminal」であれば、自動でタブメニューに追加されるため、そこから利用することもできます。
Rocky Linuxは、コミュニティーによって管理される、無償のLinuxディストリビューションです。
Google Cloudと提携し、特殊なGoogleインフラで利用可能にするためのサポートや、容易に移行できるツールなどを提供することで、個人の開発者と大手企業の両方から高い人気を得ています。
Googleの他にも、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureを始めとするクラウドサービスプロバイダーが取り組みを始めたことで、さらに注目を集めています。
既存のLinuxディストリビューションの中で、CentOSの代替OSとして有力候補なのが、Oracle Linuxです。
Oracle Linuxは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)をベースとしており、2006年からRHELを追う形でリリースし続けていることから、高い信頼性が必要なデータベースなどの動作基盤としての実績を持っています。
CentOS Linuxからの切替ツールも存在するため、既存のCentOSユーザーにも選択しやすくなっています。
既にリリースされているOSのため、一部の製品では既にサポートされている点は、後発のOSに比較して強みです。
Debianプロジェクトは、自由であることを重視するため、手動インストールが必要なものが多いという特徴があります。
しかしながら、インストール時に日本語を選択していれば表示も入力も問題はないため、以前よりも導入しやすいでしょう。
常に最新バージョンがリリースされる他のLinuxディストリビューションや、入れてすぐ使用できるUbuntuとは違い、実績のあるパッケージによる高い安定性が評判です。
多くの派生系があるLinuxディストリビューションは、どんな用途で使うかによって選び方が変わります。
また、ユーザーが多いWindowsやMacと違い、ユーザーが自由に構築できる部分が多いため、使いやすさや取りつきやすさといった要素も選ぶ際の判断基準になるでしょう。
これからLinuxを習得したい方であれば、まずは初心者向けのものから入り、自分のお気に入りのLinuxディストリビューションを選ぶというのも1つの方法です。
無償で利用できるものが多いという利点を活かし、スキルアップにつなげていきましょう。
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2007年設立のシステム開発会社。首都圏を中心にWeb・IT関連事業、コンサルティングサービス、人材派遣サービスなどを展開。 SES事業や受託開発などを中心にノウハウを蓄積しながら、関連事業へとビジネスの裾野を広げています。
監修者インフォメーション