「フリーランスが青色申告をおこなうコツ、やり方が知りたい」
「フリーランスや個人事業主で青色申告をすべき人について知りたい」
「フリーランスが青色申告を選択するメリットや注意点について知りたい」
このような疑問を抱いているフリーランスや個人事業主は多いでしょう。
本記事では、フリーランスや個人事業主が青色申告するために、事前におこなう手続きや手順および条件について解説しています。また、青色申告を選択するメリットやよくある質問などについてもまとめているので、適切に節税したいフリーランス・個人事業主におすすめです。
フリーランス・個人事業主の人は、ぜひ本記事を参考にして青色申告の控除や特例を受けて、確定申告を最適化しましょう。
フリーランスは確定申告をする場合どうすればいいの?
フリーランスの方など会社から給料をもらっていない方で、公的年金などの収入が400万円以下であり、それ以外の所得が20万円を超える場合は、1年間の収入やそれにかかる所得税の額を確定させる「確定申告」を行う必要があります。
会社員など給料をもらっている方も確定申告は必要なのですが、ほとんどの場合は会社が代わりに所得税額の計算をしてくれるので申告は不要です。
一方、フリーランスの方などは自分で1年間の収入や必要経費などを記録・計算し、書類にまとめて税務署に提出しなければいけません。
確定申告のやり方には白色申告と青色申告の2種類があります。
青色申告は事業所得などを得ている方が選べる確定申告のやり方で、一定水準の帳簿をつけるなど白色申告よりも厳しい条件がありますが、その分さまざまな特典があります。
出典:確定申告が必要な方|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/a/01/1_06.htm
出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm
出典:No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2080.htm
【フリーランス・個人事業主】青色申告とは?
青色申告とは、フリーランスや個人事業主など、事業者が確定申告をする際に選択できる申告方法の1つのことです。
しかし、すべてのフリーランスや個人事業主が青色申告を選択できるわけではありません。
- 青色申告ができる人・できない人
- 事業所得と雑所得の違い
- 不動産所得の注意点
それでは、フリーランスや個人事業主で青色申告できる人について、所得の違いから詳しくみていきましょう。
青色申告ができる人・できない人
【青色申告できる人】
- 不動産所得がある人
- 事業所得がある人
- 山林所得がある人
- 開業届を提出している人
- 青色申告の承認を受けている人
フリーランスや個人事業主で青色申告ができる人は、不動産所得、事業所得、山林所得のいずれかの所得があり、開業届および青色申告承認申請書を納税地の税務署に提出して承認を受けている人です。
一方で、所得が不動産所得、事業所得、山林所得以外(利子所得、配当所得、給与所得、雑所得、譲渡所得、一時所得、退職所得)のみである、また不動産所得、事業所得、山林所得の所得がある人でも開業届および青色申告承認申請書の承認を受けていないフリーランスや個人事業主は青色申告ができない人に該当します。
【青色申告ができない人】
- 不動産所得・事業所得・山林所得以外の所得がある人(利子所得、配当所得、給与所得、雑所得、譲渡所得、一時所得、退職所得)
- 開業届および青色申告承認申請書の承認を受けていないフリーランスや個人事業主
なお、「
青色申告承認申請書」「
開業届」は、事業年度の3月15日までに納税地の税務署に提出する必要があるので注意しましょう。
そして、ご自身の収入がどの所得に分類されるかは、さまざまな条件により異なります。
とくに勘違いしやすい事例を「事業所得と雑所得の違い」「不動産所得の注意点」にまとめているのでご確認ください。
出典:国税庁「No.2070 青色申告制度」
事業所得と雑所得の違い
【事業所得と雑所得の違い】
- 事業所得は「事業として」の所得
- 雑所得は「副業として(事業規模ではない)」の所得
フリーランスや個人事業主が青色申告できる所得のうち「事業所得」は、「雑所得」と混同されやすいので、違いを正確に理解する必要があります。
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人の事業から生じる所得のことです。つまり、事業としての所得はすべて事業所得に該当します。
一方で、雑所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得のいずれにも該当しない所得のことです。
つまり、公的年金や事業規模ではない副業としての所得は雑所得に該当します。
たとえば、フリーランスエンジニアが月に数万円の収入を得ている場合でも、反復継続して事業としておこなっている場合は「事業所得」、たまに副業としておこなっている場合は「雑所得」にわけられるなどの違いがあるので注意が必要です。
出典:国税庁「No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)」
出典:国税庁「No.1500 雑所得」
不動産所得の注意点
【不動産所得の注意点】
- 不動産所得の対象は「貸付け」による所得である
- 不動産の貸付けが「事業規模」であるかどうか
フリーランスや個人事業主が青色申告できる所得のうち「不動産所得」は、「譲渡所得」または「雑所得」と混同されやすいので、違いを正確に理解する必要があります。
不動産所得とは、土地や建物などの不動産の貸付けから生じる所得のことです。
そのため、土地や建物などの譲渡で生じた所得は「譲渡所得(営利目的以外、事業目的以外の譲渡)」または「雑所得(営利目的、事業目的以外の譲渡)」に該当します。
そして、不動産所得は土地や建物の貸付けを事業としておこなっているかどうかにより、受けられる控除が異なるので注意が必要です。
【不動産所得が事業規模である場合に受けられる控除】
- 青色申告特別控除(65万円または55万円)
- 青色事業専従者給与控除(配偶者86万円、その他専従者1人50万円)
不動産所得が事業規模であるかどうかの判断は、国税庁により以下のように区分されています。
- マンション、アパートなどは、貸付けできる独立した部屋がおおむね10室以上である
- 戸建ては、貸付けできる家屋がおおむね5棟以上である
- 駐車場は、貸付けできる台数が50台以上である
上記に該当する場合は、事業としての不動産貸付けに該当するので、青色申告をするメリットが生じる可能性があります。
詳しくは「フリーランスが青色申告を選択するメリット」をご参照ください。
フリーランスが納める税金とは
フリーランスとして働いており、の方など会社から給料をもらっていない方で、「公的年金などの収入が400万円以下」「であり、それ以外の所得が20万円を超える」場合は、1年間の収入やそれにかかる所得税の額を確定させる「確定申告」を行う必要があります。
会社員など給料をもらっている方も確定申告は必要なのですが、ほとんどの場合は会社が代わりに所得税額の計算をしてくれるので申告は不要です。
一方、フリーランスや個人事業主の方の方などは自分で1年間の収入や必要経費などを記録・計算し、書類にまとめて税務署に提出しなければいけません。
確定申告のやり方には白色申告と青色申告の2種類があります。
青色申告は事業所得などを得ている方が選べる確定申告のやり方で、一定水準の帳簿をつけるなど白色申告よりも厳しい条件がありますが、その分さまざまな特典があります。
出典:確定申告が必要な方|国税庁
出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
出典:No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度|国税庁
フリーランスが納めなければならない税金は4種類
フリーランスの方が納めなければならない税金は、主に所得税・住民税・個人事業税・消費税の4種類です。(※自宅を仕事場にしている場合は、これらの税金に加え、「固定資産税」も発生します。)
所得税は個人の所得(収入から経費などを引いた額)にかかる税金です。収入を得た方法などによって10種類に分類され、それぞれに計算方法などが定められています。
住民税は、都道府県や市町村が提供する身近なサービスの経費を、住民にその能力に応じて広く分担させるための税金です。税額は前年度の所得金額に応じて決められます。
個人事業税は、個人事業で得た所得に対してかかる税金です。課税される業種は70種類あり、税率は業種によって異なるでしょう。
消費税は、商品の販売やサービスの提供などの取引に対してかかる税金で、消費者が負担し事業者が納税します。税額は2年前の課税売上高によって決まりますが、課税売上高が1,000万円以下の場合は納税義務が免除されます。
ただし、2023年10月1日より導入されたインボス制度に対応するために、適格請求書発行事業者に登録した場合は異なるので注意が必要です。適格請求書発行事業者に登録したフリーランス(個人事業主)の方は、課税事業者に分類されるため、先述した売上高に関わらず、消費税の納税義務が生じます。
なお、インボイス制度を機に課税事業者になった場合は、経過措置として「2割特例」が適用されるため、消費税負担が軽減されます。
2割特例の対象となるための特別な届出は不要です。消費税の確定申告書に2割特例の適用を受ける旨を追記すれば利用できるのでご安心ください。
フリーランスが青色申告を選択するメリット
フリーランスや個人事業主が青色申告を選択するメリットについて解説していきます。
- 青色申告特別控除
- 青色事業専従者給与(青色事業専従者控除)
- 少額減価償却資産の特例
- 貸倒引当金
- 純損失の繰越しと繰戻し
以上のそれぞれのメリットを、詳しくみていきましょう。
青色申告特別控除
青色申告特別控除とは、青色申告を選択した人が確定申告で受けられる控除のことです。
青色申告特別控除は、条件により10万円、55万円、65万円のいずれかが課税所得から控除されます。
青色申告特別控除の控除額は、申請方法や提出書類、記帳方法や保存帳簿などにより異なるので、最大65万円の控除を受けるためにも条件を把握しておきましょう。
青色申告特別控除(10万円、55万円、65万円)を受ける条件は以下のとおりです。
条件
| 青色申告65万円控除 | 青色申告55万円控除 | 青色申告10万円控除 |
複式簿記
| ⚪ | ⚪︎ | × |
貸借対照表・損益計算書の添付
| ⚪︎ | ⚪︎ | × |
期限内申告 | ⚪︎ | ⚪︎ | × |
e-taxで申告 | ⚪︎ | × | × |
出典:国税庁「65万円の青色申告特別控除の適用について(ご注意)」
青色事業専従者給与(青色事業専従者控除)
青色事業専従者給与とは、事業に従事している青色申告者の配偶者や親族(同一生計に限る)に支払う給与のことです。
原則として、フリーランスや個人事業主の配偶者やその他親族(同一生計に限る)に支払う専従者給与を必要経費にすることは認められていません。
しかし、フリーランスや個人事業主が青色申告を選択した場合、適正額の青色事業専従者給与はすべて必要経費にできます。
一方、白色申告の場合(白色事業専従者控除)は、フリーランスや個人事業主の配偶者への専従者給与の86万円、その他親族への専従者給与の50万円を必要経費とみなして控除が可能です。
このように、フリーランスや個人事業主で配偶者やその他親族(同一生計に限る)が事業専従者となる場合は、青色申告を選択することで青色事業専従者控除を受けられるメリットがあります。
ただし、青色事業者専従者給与として認められるためには、以下のような条件があるので注意が必要です。
【青色事業専従者給与として認められる条件】
- 青色事業専従者に支払われた給与であること
- 青色事業専従者給与に関する届出書を納税地の所轄税務署長に提出していること
- 届出書に記載されている方法により支払われ、かつ記載されている金額の範囲内で支払われたものであること
- 青色事業専従者給与の額は労務の対価として相当であると認められる金額であること
出典:国税庁「No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除」
出典:中小企業庁「少額減価償却資産の特例」
少額減価償却資産の特例
少額減価償却資産の特例とは、取得価額が30万円未満の減価償却資産を全額損金算出(即時必要費用・経費)にできる制度のことです。
少額減価償却資産の特例は2006年4月1日から2026年3月31日までの間に利用できる制度で、青色申告を選択したフリーランスや個人事業主などの中小企業者等が対象となります。
中小企業者等とは、以下のような事業者のことです。
- 中小企業者または農業協同組合等で青色申告法人
- 常時使用する従業員の数が500人以下(令和2年3月31日までの取得などについては、1,000人以下)の法人
※上記の条件には、青色申告を選択しているフリーランスや個人事業主も含まれる
青色申告を選択しない場合は少額減価償却資産の特例の対象とはならず、減価償却資産を全額損金算出(即時必要費用・経費)にできる金額が10万円未満になります。(20万円未満の場合は3年間で均等償却)
出典:国税庁「No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」
貸倒引当金
貸倒引当金とは、売掛金(将来受け取れる売上債権)や貸付金残高(将来受け取れる金銭債権)が回収不能になることに備えて事前に損失額を予測して計上しておく引当金のことです。
そして、フリーランスや個人事業主などの事業者が青色申告を選択する場合、年末時点の売掛金(将来受け取れる売上債権)や貸付金残高(将来受け取れる金銭債権)の5.5%以下までを貸倒引当金(必要経費)として計上しておくことが認められます。(金融業の場合は3.3%)
出典:国税庁「No.2070 青色申告制度」
純損失の繰越しと繰戻し
純損失の繰越しと繰戻しとは、青色申告をする年度からさかのぼって3年間の利益と損失を合算して算出できる制度のことです。
そのため、青色申告をする年度からさかのぼって3年間に損失(赤字)がある場合は、本年度の利益(黒字)が相殺されて所得税を抑えられます。(純損失の繰越し)
また、青色申告をする年度の損失(赤字)をその年度からさかのぼって3年間の利益(黒字と相殺して所得税の還付を受けることも可能です。(繰戻し還付)
フリーランスが青色申告をする前に行う手続き
フリーランスの方は、会社に所属したり自分で会社を設立したりせず独立して働くため、税法上では個人事業者として扱われます。
ここでは、個人事業者となるために必要な手続きや、青色申告するために提出しなければならない書類について説明します。
出典:第1節 個人事業者の納税義務|国税庁
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事業開始等申告書を提出する
個人事業を開始したときは、そのことを都道府県に報告するため「事業開始等申告書」を提出することになります。
個人事業者の所得には、所得税のほか個人事業税が課税されます。個人事業税は都道府県に納税する地方税のため、都道府県の税事務所への届出が必要です。
事業開始等申告書の書式や提出期限は、自治体によって異なります。詳細は提出する都道府県のホームページなどでご確認ください。
出典:事業を始めたとき・廃止したとき|東京都主税局
個人事業の開業・廃業等届出書を提出する
新たに事業を開始したときは、都道府県だけでなく国にも届出が必要です。事業を開始した1か月以内に、納税地の税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出しましょう。
事業により発生した所得にかかる所得税は国に納める国税のため、国税を扱う税務署に開業したことを通知する必要があるのです。
なお、届出書の様式や書き方などは、国税庁のホームページで確認できます。
出典:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
所得税の納税地の変更に関する届出書を提出する
自宅と事業所が異なり事業所を納税地とする場合や、引っ越しをした場合など納税地を変更する際には、「異動・変更前の納税地を所轄する税務署」へ届出書を提出する必要があります。
手数料は無料で、提出方法は持参の他、郵送も可能です。納税地の異動があった場合は、すみやかに届出書を提出しましょう。
出典:[手続名]所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出手続|国税庁
青色申告を取りやめたい場合の手続き
青色申告を取りやめたい場合は、事業年度の3月15日までに「所得税の青色申告取りやめ届出書」を納税地の税務署に提出する必要があります。
青色申告を取りやめた後に、再度、白色申告から青色申告を選択できますが、取りやめてから1年以内の「青色申告承認申請書」を提出する場合、非承認となる可能性があるので注意が必要です。
また、青色申告の承認を受けている状態でも白色申告で確定申告を提出できるので、青色申告を選択するメリットがなくても、承認の取りやめの手続きは必要性を慎重に検討しましょう。
出典:国税庁「A1-10 所得税の青色申告の取りやめ手続」
青色申告をするためには帳簿付けが必要
日本の所得税は、原則的に納税者が自分で所得金額や税額を計算して納税する、申告納税制度を採用しています。
所得金額を正しく計算して申告するためには、領収書など取引に関する書類を保存しておき、日々の取引における収入金額や必要経費を帳簿に正確に記帳しなければいけません。
青色申告はこのような手間をかけ、所得金額を正しく申告する人を優遇する制度のため、一定水準の帳簿付けをする必要があるのです。
出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
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青色申告の帳簿付けのやり方は複式簿記
青色申告の特典の一つである青色申告特別控除を受けるためには、日々の取引を正規の簿記の原則に従って記録する必要があります。ここで言う「正規の簿記」とは、損益計算書と貸借対照表が導き出せる組織的な簿記の方式のことで、一般的には複式簿記のことを指します。
複式簿記とは、お金の出入りを「借方」と「貸方」という二つの概念を用いて表す記帳方法です。単純にお金の増減を記録する単式簿記と異なり、その時点で現金や借金がどれだけ増減し、いくら残っているのかを簿記上で把握できるという特徴があります。
複式簿記で記帳することで、事業の儲けを表す損益計算書や、今ある現金や借金の額が分かる貸借対照表が作成でき、所得金額をより正確に申告できるのです。
出典:帳簿の記帳のしかた|税務署
青色申告の帳簿付けを簡単にする4つの方法
青色申告をするために必要不可欠な帳簿付けですが、さまざまな業務を自身で行わなければならないフリーランスにとって、煩雑な作業であることもまた事実です。そのためここでは、帳簿付けを簡単にする方法を4つ紹介していきます。
経理業務の経験がないフリーランスでも正しく帳簿付けが行えるよう、手助けになる内容のため、是非参考にしてみてください。
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1:会計ソフトを利用する
会計ソフトは入力した伝票の内容を集計し、自動で帳簿を作成してくれます。そのため帳簿作成が効率化されると共に、手書きやMicrosoft Excelでの伝票転記の際に起こり得る、記入ミスなども防ぐことができます。
スマートフォンからの利用も可能な他、領収書やレシートを読み込めるものもあります。また、「やよいの青色申告オンライン」など無料期間が設けられているソフトもあるため、試してから購入することも可能です。
2:セミナーやサポートを利用する
フリーランスの確定申告や帳簿付けをサポートしてくれる、セミナーやサポートの利用もおすすめです。
オンラインでのセミナーも多数開催されており、それぞれの働き方に合わせた質問なども行えるため、フリーランスになりたての主婦や初心者が青色申告の基本知識を学ぶために参加するのにもいいでしょう。
また、確定申告の時期に無料でセミナーや相談会などを行っているサポートサービスもあります。
3:個人用と事業用の支出を分けておく
フリーランスで仕事をしていると、プライベートと仕事の支出が混ざってしまいがちです。売上や経費などの把握を簡単にするために、日頃から「個人用」と「事業用」の支出は分けておきましょう。
使用する通帳なども分けておくことで、青色申告のための帳簿付けを無駄なくスムーズに行うことができます。
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4:税理士に依頼する
何と言っても確実なのは、会計のプロフェッショナルである税理士に依頼することでしょう。取引先や収入の増加と共に帳簿の記入内容も増えていきますが、専門家に任せることで時間の節約や安心感を得ることができます。
また、専門的な知識を持つ税理士はフリーランスの節税に関する知識も豊富です。払わないで済む税金を計算してくれるだけでなく、どういった経営を行えば節税につながるのかアドバイスをもらうことも可能です。
フリーランスになる準備として、ローンやクレジットカードを、フリーランスになる前に申し込んでおきます。特にローンなどは、会社員時代に組んでおくことが重要です。理由は、会社員の方が定期的な収入があるとみなされるため、ローンが組みやすいからです。
反対にフリーランスになると、収入が不安定になる可能性があるため、ローン審査が厳しくなる傾向があります。
フリーランス活動を想定してクレジットカードを作成する場合、クレジットカードは、個人事業主に向け作られている法人カードがおすすめです。法人カードはビジネス向けになるため、ビジネス関連のサービスが豊富に準備されています。
【注意点】青色申告する前の手続きをするときに気を付けること
ここからは、スムーズに青色申告の準備を進めるために気を付けておきたいポイントを3点紹介します。
実際に青色申告をしようとする段階になって慌てないように、以下のポイントはしっかり押さえておきましょう。
領収書を保管しておく
青色申告をする際に必要となる収支内訳書や青色申告決算書には、1年間の収支をまとめて記入します。そのためには、領収書や請求書、レシートなどの取引の証拠となるものが必要です。その証拠に基づいて帳簿に記帳し、集計したものを収支内訳書などに書き移していきます。
また、支払い先の住所など、収支について詳細な情報の記入を求められることもあるので、事業に関係する領収書などはなくさないように保管しておきましょう。
所定期間内に青色申告承認申請書を提出する
先述した通り、青色申告承認申請書の提出期限は事業開始日から2か月以内です。すでに事業を開始していて、次の確定申告から青色申告をしようとする場合は、申告したい年の3月15日が提出期限となります。
この期間を過ぎると青色申告できるのは翌年からになってしまうため、期間内に提出しましょう。
出典:[手続名]所得税の青色申告承認申請手続|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm
納税地の税務署に提出する
青色申告承認申請書や確定申告書は、そのときの納税地を所轄する税務署に提出します。一般的には、申告時に住民票がある住所が納税地となるので、その住所を所轄する税務署を国税庁のホームページなどで確認しておきましょう。
なお、住民票の住所とは別の場所に事業所がある場合、その所在地を納税地とすることも可能です。その場合は、本来の納税地を所轄する税務署に「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」を提出する必要があります。
出典:[手続名]所得税の青色申告承認申請手続|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm
出典:No.2029 確定申告書の提出先(納税地)|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2029.htm
青色申告ができない7つの所得
青色申告は、不動産所得・事業所得・山林所得がある場合にできる確定申告の形式です。
したがって、以下に挙げる種類の所得のみを得ている場合は、フリーランスの方でも青色申告ではなく、白色申告で確定申告をすることになります。
出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
1:退職所得
退職所得は、退職により勤務先から受け取る退職手当や、退職が理由で社会保険制度などより支給された一時金などの所得のことです。解雇予告手当や、退職後に弁済を受けた未払い賃金もこれに含まれます。
退職所得は原則として、他の所得とは切り離して所得税額を計算します。
出典:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁
2:給与所得
給与所得は、勤務先から受け取る給料や賞与などの所得です。
給与所得は、支払いの際に所得税などが源泉徴収されています。他の所得がない場合は、年末調整により勤務先で所得税の清算が行われるため、確定申告の必要はありません。
出典:No.1400 給与所得|国税庁
3:一時所得
一時所得は、営利目的の行動で継続的に得られる所得以外のもので、労務の対価や資産の譲渡によるものではない、一時的な所得のことを言います。
具体的には、懸賞の賞金や競馬の払戻金、生命保険の一時金などがあてはまります。
出典:No.1490 一時所得|国税庁
4:配当所得
配当所得は、株式の配当や投資信託の収益の分配などで得た所得のことです。
申告の際は、他の所得とあわせて申告するか(総合課税)、他の所得と分けて申告するか(申告分離課税)選べます。また、配当が小額であるなど一定の条件を満たせば、申告せずに源泉徴収だけで済ませることもできます。
出典:利子所得と配当所得の課税方法|国税庁
5:利子所得
利子所得は、株式や公社債、預貯金などの利子による所得のことを言います。
配当所得と同様に、一定の条件を満たせば申告せずに源泉徴収だけで済ませられる確定申告不要制度があります。
出典:利子所得と配当所得の課税方法|国税庁
6:譲渡所得
土地や建物などを売ったときに発生する所得が、譲渡所得です。
譲渡所得に対する税金は、他の所得とは分けて計算します。また、土地や建物などを所有していた期間が5年を超えるかどうかで、税額の計算方法も変わります。
出典:No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)|国税庁
7:雑所得
雑所得とは他の所得の区分に含まれない所得のことで、公的年金や副業で得た所得などが該当します。
雑所得のうち、公的年金や原稿料・講演料などは、支払いの際に源泉徴収が行われます。
出典:No.1500 雑所得|国税庁
青色申告ができる3つの所得
先述の通り、青色申告ができるのは不動産所得・事業所得・山林所得のいずれかの所得がある場合です。
ここでは、青色申告の条件となる3種類の所得がどのようなものか説明します。
1:山林所得
山林所得は、山林を伐採して譲渡したり、伐採せずに立木のまま譲渡したりした場合に発生する所得です。
ただし、山林を取得してから5年以内に伐採したか譲渡した場合、そのときに発生した所得は山林所得ではなく、事業所得か雑所得として扱われます。
また、山林を山ごと譲渡した場合の土地の部分は譲渡所得となります。
出典:No.1480 山林所得|国税庁
2:不動産所得
不動産所得は、土地・建物などの不動産や、地上権など不動産の上に存在する権利、船舶・航空機などを貸したときに発生した所得のことです。
不動産所得の計算では不動産などの賃貸料だけでなく、頭金や敷金、共益費なども収入として扱われます。また、固定資産税や損害保険料などは必要経費にすることができます。
出典:No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)|国税庁
3:事業所得
事業所得とは、農業や漁業、小売業やサービス業など、事業を営んでいる方がその事業で得た所得のことです。
ただし、不動産の貸し付けや山林の譲渡で発生した所得は原則として除きます。
出典:No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)|国税庁
青色申告の方法を知り正しく確定申告をしよう
フリーランスとして生きていく場合、税金については確定申告によって自分で処理しなければなりません。フリーランスを目指すなら、確定申告についての知識は必須と言えます。
また、確定申告は青色申告で行えば、税金に関してさまざまな優遇を受けられるという点も知っておきましょう。税金について正しい知識を身に着け、正確な確定申告をすることが節税につながります。
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