「青色申告ってなに?」
「フリーランスが青色申告するとどんなメリットがあるの?」


フリーランスの方は自分で確定申告をしなければなりませんが、確定申告のうち青色申告について詳しく知りたいと思っている方も多いのではないでしょうか。


本記事では、青色申告のメリットの詳しい内容や、青色申告をする前に行う手続き、青色申告をするために必要な帳簿付けのやり方などを説明しています。


この記事を参考に税金や青色申告の知識をつけることで、青色申告をよりスムーズに行えるようになるとともに、青色申告のメリットである優遇措置を効果的に利用でき、節税にもつながるでしょう。


これからフリーランスを目指す方や、青色申告をやってみようと考えているフリーランスの方は、ぜひご一読ください。

フリーランスは確定申告をする場合どうすればいいの?

フリーランスの方など会社から給料をもらっていない方で、公的年金などの収入が400万円以下であり、それ以外の所得が20万円を超える場合は、1年間の収入やそれにかかる所得税の額を確定させる「確定申告」を行う必要があります。


会社員など給料をもらっている方も確定申告は必要なのですが、ほとんどの場合は会社が代わりに所得税額の計算をしてくれるので申告は不要です。


一方、フリーランスの方などは自分で1年間の収入や必要経費などを記録・計算し、書類にまとめて税務署に提出しなければいけません。


ところで、確定申告のやり方には白色申告と青色申告の2種類があります。


青色申告は事業所得などを得ている方が選べる確定申告のやり方で、一定水準の帳簿をつけるなど白色申告よりも厳しい条件がありますが、その分さまざまな特典があります。


出典:確定申告が必要な方|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/a/01/1_06.htm


出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm


出典:No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2080.htmNo.2080

フリーランスが納めなければならない税金とは?

フリーランスの方が納めなければならない税金は、主に所得税・住民税・個人事業税・消費税の4種類です。


所得税は個人の所得(収入から経費などを引いた額)にかかる税金です。収入を得た方法などによって10種類に分類され、それぞれに計算方法などが定められています。


住民税は、都道府県や市町村が提供する身近なサービスの経費を、住民にその能力に応じて広く分担させるための税金です。税額は前年度の所得金額に応じて決められます。


個人事業税は、個人事業で得た所得に対してかかる税金です。課税される業種は70種類あり、税率は業種によって異なります。


消費税は、商品の販売やサービスの提供などの取引に対してかかる税金で、消費者が負担し事業者が納税します。税額は2年前の課税売上高によって決まりますが、課税売上高が1,000万円以下の場合は納税義務が免除されます。


出典:所得税のしくみ|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_1.htm


出典:個人住民税|東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/kojin_ju.html


出典:個人事業税|東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/kojin_ji.html


出典:消費税のしくみ|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_3.htm

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フリーランスのエンジニアが青色申告をするメリット

先述したように、青色申告には白色申告にはない特典があります。


その最たるものが「青色申告特別控除」です。取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)で記帳し、その記帳に基づいて貸借対照表と損益計算書を作成し、確定申告書に添付して申告期限内に提出すれば、最高で55万円の控除が受けられます。


さらに、55万円控除の条件を満たした上で、電子帳簿保存を行うかe-Taxでの電子申告を行っていれば、控除額は最高65万円になります。


なお、上記の条件を満たさない場合、控除額は最高10万円です。


その他にも、事業を手伝った家族への給料(青色事業専従者給与)や、未回収が予想される売掛金(貸倒引当金)を必要経費として算入できたり、3年前までの赤字を繰り越して所得から差し引きできたりといった、さまざまな優遇措置があります。


出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

青色申告をするためには帳簿付けが必要

日本の所得税は、原則的に納税者が自分で所得金額や税額を計算して納税する、申告納税制度を採用しています。


所得金額を正しく計算して申告するためには、領収書など取引に関する書類を保存しておき、日々の取引における収入金額や必要経費を帳簿に正確に記帳しなければいけません。


青色申告はこのような手間をかけ、所得金額を正しく申告する人を優遇する制度のため、一定水準の帳簿付けをする必要があるのです。


出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

青色申告の帳簿付けのやり方は複式簿記

青色申告の特典の一つである青色申告特別控除を受けるためには、日々の取引を正規の簿記の原則に従って記録する必要があります。ここで言う「正規の簿記」とは、損益計算書と貸借対照表が導き出せる組織的な簿記の方式のことで、一般的には複式簿記のことを指します。


複式簿記とは、お金の出入りを「借方」と「貸方」という二つの概念を用いて表す記帳方法です。単純にお金の増減を記録する単式簿記と異なり、その時点で現金や借金がどれだけ増減し、いくら残っているのかを簿記上で把握できるという特徴があります。


複式簿記で記帳することで、事業の儲けを表す損益計算書や、今ある現金や借金の額が分かる貸借対照表が作成でき、所得金額をより正確に申告できるのです。


出典:帳簿の記帳のしかた|税務署
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/kichou03.pdf

青色申告ができない所得

青色申告は、不動産所得・事業所得・山林所得がある場合にできる確定申告の形式です。


したがって、以下に挙げる種類の所得のみを得ている場合は、フリーランスの方でも青色申告ではなく、白色申告で確定申告をすることになります。


出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

退職所得

退職所得は、退職により勤務先から受け取る退職手当や、退職が理由で社会保険制度などより支給された一時金などの所得のことです。解雇予告手当や、退職後に弁済を受けた未払い賃金もこれに含まれます。


退職所得は原則として、他の所得とは切り離して所得税額を計算します。


出典:No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm

給与所得

給与所得は、勤務先から受け取る給料や賞与などの所得です。


給与所得は、支払いの際に所得税などが源泉徴収されています。他の所得がない場合は、年末調整により勤務先で所得税の清算が行われるため、確定申告の必要はありません。


出典:No.1400 給与所得|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1400.htm

一時所得

一時所得は、営利目的の行動で継続的に得られる所得以外のもので、労務の対価や資産の譲渡によるものではない、一時的な所得のことを言います。


具体的には、懸賞の賞金や競馬の払戻金、生命保険の一時金などがあてはまります。


出典:No.1490 一時所得|情報源の機関や会社名
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1490.htm

配当所得

配当所得は、株式の配当や投資信託の収益の分配などで得た所得のことです。


申告の際は、他の所得とあわせて申告するか(総合課税)、他の所得と分けて申告するか(申告分離課税)選べます。また、配当が小額であるなど一定の条件を満たせば、申告せずに源泉徴収だけで済ませることもできます。


出典:利子所得と配当所得の課税方法|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2018/b/03/order2/yogo/3-2_y01.htm

利子所得

利子所得は、株式や公社債、預貯金などの利子による所得のことを言います。


配当所得と同様に、一定の条件を満たせば申告せずに源泉徴収だけで済ませられる確定申告不要制度があります。


出典:利子所得と配当所得の課税方法|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2018/b/03/order2/yogo/3-2_y01.htm

譲渡所得

土地や建物などを売ったときに発生する所得が、譲渡所得です。


譲渡所得に対する税金は、他の所得とは分けて計算します。また、土地や建物などを所有していた期間が5年を超えるかどうかで、税額の計算方法も変わります。


出典:No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3202.htm

雑所得

雑所得とは他の所得の区分に含まれない所得のことで、公的年金や副業で得た所得などが該当します。


雑所得のうち、公的年金や原稿料・講演料などは、支払いの際に源泉徴収が行われます。


出典:No.1500 雑所得|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1500.htm

青色申告ができる所得

先述の通り、青色申告ができるのは不動産所得・事業所得・山林所得のいずれかの所得がある場合です。


ここでは、青色申告の条件となる3種類の所得がどのようなものか説明します。

山林所得

山林所得は、山林を伐採して譲渡したり、伐採せずに立木のまま譲渡したりした場合に発生する所得です。


ただし、山林を取得してから5年以内に伐採したか譲渡した場合、そのときに発生した所得は山林所得ではなく、事業所得か雑所得として扱われます。


また、山林を山ごと譲渡した場合の土地の部分は譲渡所得となります。


出典:No.1480 山林所得|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1480.htm

不動産所得

不動産所得は、土地・建物などの不動産や、地上権など不動産の上に存在する権利、船舶・航空機などを貸したときに発生した所得のことです。


不動産所得の計算では不動産などの賃貸料だけでなく、頭金や敷金、共益費なども収入として扱われます。また、固定資産税や損害保険料などは必要経費にすることができます。


出典:No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm

事業所得

事業所得とは、農業や漁業、小売業やサービス業など、事業を営んでいる方がその事業で得た所得のことです。


ただし、不動産の貸し付けや山林の譲渡で発生した所得は原則として除きます。


出典:No.1350 事業所得の課税のしくみ(事業所得)|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1350.htm

フリーランスが青色申告をする前に行う手続き

フリーランスの方は、会社に所属したり自分で会社を設立したりせず独立して働くため、税法上では個人事業者として扱われます。


ここでは、個人事業者となるために必要な手続きや、青色申告するために提出しなければならない書類について説明します。


出典:第1節 個人事業者の納税義務|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shohi/01/01.htm

事業開始等申告書を提出する

個人事業を開始したときは、そのことを都道府県に報告するため「事業開始等申告書」を提出することになります。


個人事業者の所得には、所得税のほか個人事業税が課税されます。個人事業税は都道府県に納税する地方税のため、都道府県の税事務所への届出が必要です。


事業開始等申告書の書式や提出期限は、自治体によって異なります。詳細は提出する都道府県のホームページなどでご確認ください。


出典:事業を始めたとき・廃止したとき|東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/scene/index05.html

個人事業の開業・廃業等届出書を提出する

新たに事業を開始したときは、都道府県だけでなく国にも届出が必要です。事業を開始した1か月以内に、納税地の税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出しましょう。


事業により発生した所得にかかる所得税は国に納める国税のため、国税を扱う税務署に開業したことを通知する必要があるのです。


なお、届出書の様式や書き方などは、国税庁のホームページで確認できます。


出典:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm

所得税の青色申告承認申請書を提出する

青色申告する際には、事前に申請が必要です。開業日から2か月以内に、納税地の税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出しましょう。


申請書の様式や書き方は、開業届と同様に国税庁のホームページで確認できます。


出典:[手続名]所得税の青色申告承認申請手続|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm

青色申告する前の手続きをするときに気を付けること

ここからは、スムーズに青色申告の準備を進めるために気を付けておきたいポイントを3点紹介します。


実際に青色申告をしようとする段階になって慌てないように、以下のポイントはしっかり押さえておきましょう。

領収書を保管しておく

青色申告をする際に必要となる収支内訳書や青色申告決算書には、1年間の収支をまとめて記入します。そのためには、領収書や請求書、レシートなどの取引の証拠となるものが必要です。その証拠に基づいて帳簿に記帳し、集計したものを収支内訳書などに書き移していきます。


また、支払い先の住所など、収支について詳細な情報の記入を求められることもあるので、事業に関係する領収書などはなくさないように保管しておきましょう。

所定期間内に青色申告承認申請書を提出する

先述した通り、青色申告承認申請書の提出期限は事業開始日から2か月以内です。すでに事業を開始していて、次の確定申告から青色申告をしようとする場合は、申告したい年の3月15日が提出期限となります。


この期間を過ぎると青色申告できるのは翌年からになってしまうため、期間内に提出しましょう。


出典:[手続名]所得税の青色申告承認申請手続|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm

納税地の税務署に提出する

青色申告承認申請書や確定申告書は、そのときの納税地を所轄する税務署に提出します。一般的には、申告時に住民票がある住所が納税地となるので、その住所を所轄する税務署を国税庁のホームページなどで確認しておきましょう。


なお、住民票の住所とは別の場所に事業所がある場合、その所在地を納税地とすることも可能です。その場合は、本来の納税地を所轄する税務署に「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」を提出する必要があります。


出典:[手続名]所得税の青色申告承認申請手続|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm


出典:No.2029 確定申告書の提出先(納税地)|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2029.htm

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フリーランスを目指すなら青色申告について知っておこう

フリーランスとして生きていく場合、税金については確定申告によって自分で処理しなければなりません。フリーランスを目指すなら、確定申告についての知識は必須と言えます。


また、確定申告は青色申告で行えば、税金に関してさまざまな優遇を受けられるという点も知っておきましょう。税金について正しい知識を身に着け、正確な確定申告をすることが節税につながります。

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この記事の監修

株式会社Miraie

2007年設立のシステム開発会社。首都圏を中心にWeb・IT関連事業、コンサルティングサービス、人材派遣サービスなどを展開。
SES事業や受託開発などを中心にノウハウを蓄積しながら、関連事業へとビジネスの裾野を広げています。

監修者インフォメーション

https://miraie-group.jp/
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設立:2007年7月(3月決算)
従業員数:55名(正社員)
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