「消費税の納付って、いつから必要になるの?」
「消費税の課税事業者になったら、注意すべきことは何だろう?」


このように、消費税の納付について疑問を抱えているフリーランスの方は多いのではないでしょうか。


本記事では、フリーランスが知っておくべき消費税の確定申告に関する基礎知識に加え、気を付けたい消費税に関する注意点と新たに導入されるインボイス制度を紹介しています。


この記事を読むことで、消費税の申告の仕方、各種届出の特徴について把握できます。その知識をもとに消費税の確定申告について準備することができるため、消費税の確定申告について不安を抱えている方も、スムーズに申告手続きができるでしょう。


消費税の納税義務について知りたいと思っている方は、この記事をチェックしてみてください。

そもそも消費税とは?

消費税とは、商品の販売やサービスの提供に対して課せられる税金で、消費者が負担し、事業者が納税する間接税です。


消費者が買い物をしたときに消費税を支払い、事業者は、「消費者から預かった消費税」から「仕入れや経費にかかった消費税」を差し引いた額を消費税として納付します。


消費税が課税される取引には、地方消費税分も含まれており、税率は、消費税(国税)が7.8%、地方消費税(地方税)が2.2%で、両方を合わせた10%です。


消費税はすべての取引に課せられるわけではなく、取引の内容により「課税」「免税」「非課税」「対象外」に区分され、今後ますます深刻化していく高齢化社会に向けた社会保障費の捻出のため、1989年(平成元年)に導入されました。


出典:税の歴史|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/kids/hatten/page16.htm

フリーランスに消費税の納税義務が発生するとき

フリーランスの場合、以下のどちらかに該当する場合に消費税の納税義務は発生します。


・基準期間(2年前)の課税売上高が1,000万円を超えている
・特定期間(前年の1月1日~6月30日)の課税売上高が1,000万円を超えている


フリーランスになってからの1年目は、基準期間・特定期間ともに存在しないため消費税は免除され、2年目については、前年の特定期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合に消費税の納税義務が発生します。


出典:納税義務の免除|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm

フリーランスが知っておくべき消費税の確定申告に関する基礎知識

フリーランスになって軌道にのってきた頃に留意すべきことは消費税です。


消費税は1年間の売上等に課税されるため、想定以上の納付額になることもあります。消費税の課税事業者になってから慌てることのないよう、消費税の知識を身につけておくことは大切です。


ここでは、フリーランスが知っておくべき消費税の確定申告に関する基礎知識について紹介します。

1:申告と納税の時期

フリーランスの場合、消費税の申告期限と納付期限は、原則、その年の翌年3月31日です。
1月~12月を一区切りとして納税額を算出し、翌年の3月31日までに消費税の確定申告を行ないます。


消費税には国税と地方税が含まれていますが、申告も納付も同じ書類で行うことができます。


出典:申告と納税|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6601.htm

2:消費税額の計算方法

消費税額は、「売上に係る消費税額」から「仕入れ等に係る消費税額」を差引いた金額です。計算方法は簡単ですが、取引の中に非課税取引がある場合は除外して計算しなければならず、細かい取引が多い事業者には負担がかかってしまいます。


このように、一般課税による確定申告は、フリーランスや中小事業者にとって大きな負担となるため、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者は、簡易課税を選択することができます。


簡易課税制度とは、「売上に係る消費税額」に「みなし仕入率」を乗じて「仕入れに係る消費税額」を算出することができる制度です。「みなし仕入率」は事業区分に応じて定められており、その一覧表は、国税庁公式サイトに掲載されています。


簡易課税を選択する場合には「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出が必要で、簡易課税を選択した場合は、2年間は一般課税に変更することはできません。


出典:納付税額の計算のしかた|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6351.htm

3:必要な書類

消費税の申告に必要な書類は、下記のとおりです。


【一般課税の場合】
・消費税及び地方消費税の確定申告書(一般用)
・課税標準額等の内訳書
・付表1-3 税率別消費税額計算表兼地方消費税の課税標準となる消費税額計算表
・付表2-3 課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表
・消費税の還付申告に関する明細書(還付の場合)


【簡易課税の場合】
・消費税及び地方消費税の確定申告書(簡易用)
・課税標準額等の内訳書
・付表4-3 税率別消費税額計算表兼地方消費税の課税標準となる消費税額計算表
・付表5-3 控除対象仕入税額等の計算表


旧税率(3%、4%又は6.3%)が適用された取引がある場合は、別に必要となる書類があるため注意が必要です。


出典:申告書添付書類 一覧|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/shinkoku/itiran/1461_31-3.htm

4:申告の仕方

消費税の申告は、以下のいずれかの方法で行います。


・事業主住所の所轄税務署に納税申告書を「送付」または「持参」する
・e-Tax(電子申告)で申告する


納税申告書を「送付」または「持参」する場合、必要書類の入手方法は次の3種類です。


1.税務署窓口で入手する
2.国税庁の公式サイトからダウンロードする
3.国税庁の公式サイトの「確定申告書作成コーナー」にアクセスする


1と2の方法では用紙に手書きすることとなり、3の方法ではネット上で入力してからプリントアウトします。


出典:消費税及び地方消費税等の申告等|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/08.htm

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フリーランスが気を付けたい消費税に関する注意点

日常生活で馴染み深い消費税ですが、フリーランスとして仕事をするうえでの消費税については、事前にいくつか把握しておく必要があります。


ここでは、フリーランスが気をつけたい消費税に関する注意点について解説します。

青色申告をするとき

消費税と直接的に関係があるわけではありませんが、消費税と同じぐらい重要である青色申告について紹介します。


フリーランスは、確定申告をするときに青色申告をすることができます。青色申告とは、一定水準の記帳をし、その記帳に基づいて確定申告を行う制度です。


青色申告には、下記の特典があります。


・最大65万円の特別控除が受けられる
・生計を同じくする家族に支払った給与を必要経費に算入できる
・貸倒引当金を必要経費にできる
・事業で出た赤字を翌年以降3年間にわたって繰り越せる


青色申告をするためには、納税地の所轄税務署への手続きが必要です。


フリーランスとして開業した場合、業務を開始した日から2か月以内に「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出します。


白色申告から青色申告に変更する場合は、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出します。青色申告での確定申告を希望する場合は、期限内に上記いずれかの手続きを行いましょう。


出典:青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

課税売上高が1,000万円以下になったとき

これまで消費税の課税事業者であったものの、基準期間内の課税売上高が1,000万円以下になった場合は、免税事業者となるために必要な届出書を提出します。


免税事業者となる事由が発生した時点で速やかに、「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」を提出しましょう。


出典:[手続名]消費税の納税義務者でなくなった旨の届出手続き|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/1461_05.htm

課税事業者が免税事業者への変更を希望するとき

課税事業者を選んでいた事業者が免税事業者への変更を希望するときは、免税事業者に変更しようとする課税期間の初日の前日までに「消費税課税事業者選択不適用届」を提出します。


ただし、消費税課税事業者選択届出書を提出している場合は、提出した期の翌期から2年間は課税事業者であるため、この期間は免税事業者となることはできません。


また、調整対象固定資産を購入していた場合、「消費税課税事業者選択不適用届」を提出できないケースもあるため、注意が必要です。


なお、「消費税課税事業者選択不適用届」を提出した場合でも、特定期間における課税売上高が1,000万円を超える場合は、課税事業者となります。


出典:[手続名]消費税課税事業者選択不適用届出手続|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shohi/annai/1461_02.htm

請求書への消費税の記載の仕方

所得税の納付方法として、報酬の支払者が所得税を徴収して納付する「源泉徴収制度」が導入されています。給与所得以外で、源泉徴収の対象になる報酬等の主な例は以下のとおりです。


・原稿料、講演料、デザイン料、指導料など
・弁護士、公認会計士、税理士などの報酬・料金
・外交員、集金人、プロ野球選手、プロサッカー選手、モデル等の報酬・料金


徴収する源泉徴収額は下記の計算式によって導き出されます。


・100万円以下の場合は、支払金額×10.21%
・100万円を超える場合は、(支払金額−100万円)×20.42%+102,100円


100万円以下の場合は「10%が所得税額、0.21%が復興特別所得税額」で、100万円以上の場合は「20%が所得税額、0.42%が復興特別所得税額」です。


源泉徴収の対象となる報酬等については取引先に源泉徴収義務が生じるため、請求書を作成する際は、源泉徴収税額を記載した方がよいでしょう。


なお、請求書に報酬だけが記載されている場合は、消費税も含めた報酬が源泉徴収の対象となりますが、報酬金額と消費税が分けられている場合には、報酬のみが源泉徴収の対象となります。


つまり、報酬額と消費税額を分けて記載することで、報酬額にのみ源泉徴収をかけることができるのです。


出典:源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2792_qa.htm

還付を受けられる条件

消費税の課税事業者が消費税を払いすぎたときは、払いすぎた分を還付してもらうことが可能です。


消費税の還付を受けるためには、「課税事業者であること」と「納付税額を原則課税方式で算出していること」の2つの条件を満たしている場合に限られ、免税事業者や、納付税額を簡易課税方式で算出している事業者は消費税を還付してもらえません。


消費税の還付を受けられる可能性があるのは、次の3つの場合です。


1.赤字の場合
2.高額の設備投資をした場合
3.輸出売上が多い場合


消費税の還付を受けるためには、消費税の確定申告時期に還付申告を行う必要があります。


出典:免税事業者と仕入税額の還付|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6613.htm

2023年開始のインボイス制度とは?

2023年(令和5年)10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式にインボイス制度が開始されます。インボイス(適格請求書)とは、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」「適用税率」「消費税額等」の記載が追加された請求書のことです。


インボイス(適格請求書)を発行するためには、「適格請求書発行事業者」の登録が必要で、登録を受けると、税務署から「登録年月日」や「登録番号」が通知されます。


インボイス制度が導入されると、免税事業者と取引した場合に支払う消費税は控除の対象外となるため、免税事業者の売上や取引先が減る可能性が高くなると考えられます。


そのような影響を最小限に抑えるためには、インボイス制度の概要を理解して、早めに対応策を検討することが重要です。


出典:インボイス制度の概要|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_about.htm

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正しく消費税を納税しよう

消費税の課税事業者に該当することとなった際に提出する「消費税課税事業者届出書」の提出を忘れても、課税売上高で判定されて自動的に課税事業者になります。


一方、申告期限内に消費税の申告をするのを忘れてしまうと、納付する消費税のほかに無申告加算税がかかってくるため注意が必要です。


ただし、期限後の申告であっても、定められた要件を満たす場合には無申告加算税は課されないため、できるだけ早く申告することが求められます。


消費税の課税事業者は、消費税の取引につき納付税額が生じたときは、申告期限内に正しく消費税を納税しましょう。

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この記事の監修

株式会社Miraie

2007年設立のシステム開発会社。首都圏を中心にWeb・IT関連事業、コンサルティングサービス、人材派遣サービスなどを展開。
SES事業や受託開発などを中心にノウハウを蓄積しながら、関連事業へとビジネスの裾野を広げています。

監修者インフォメーション

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