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フリーランスエンジニアから法人化するメリットは?手順やタイミングも併せて解説

フリーランスエンジニアの中には、法人化を検討している方も多いでしょう。本記事では、フリーランスエンジニアから法人化するメリットとデメリット、法人化するタイミングや法人化の手順などを紹介しています。法人化を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

「売り上げが増えてきたので、法人化を検討しているけど何から始めたら良いか分からない」
「フリーランスエンジニアが法人化するメリットは?」
「法人化するために必要な手続きにはどんなものがある?」


フリーランスエンジニアから法人化を検討している方の中には、このような疑問があるのではないでしょうか。


本記事では、フリーランスエンジニアから法人化するメリットとデメリット、法人化に必要な手続きと設立手順、法人化のタイミングなどを紹介しています。


この記事を読むことで、フリーランスエンジニアから法人化するメリットを理解でき、ベストなタイミングで法人設立ができるでしょう。


法人化について知りたいフリーランスエンジニアの方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

フリーランスエンジニアと法人は何が違う?

フリーランスエンジニアと法人には、設立のための手続き、事業開始にかかる費用、支払う税金の種類、経費の範囲などの違いがあります。


その中でも一番の違いは、社会的信用度でしょう。フリーランスエンジニアよりも法人の方が社会的信用度が高いと言われています。


フリーランスエンジニアは収入が安定しないイメージが強いため、事業融資の審査などに通りにくく、取引を敬遠する企業も少なくありません。


法人は、会社法に基づき運営および管理が行わなければならないため、社会的信用度は高いでしょう。


出典:会社法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417AC0000000086

会社にはどんな種類がある?

法人化を検討する場合、まず、会社にはどんな種類があるのかということを理解しておかなくてはいけないでしょう。ここからは、会社にはどんな種類があるのか、その特徴などを紹介していきます。

合同会社

合同会社は、平成17年に制定された新会社法により新しく設立できるようになった会社の種類です。


合同会社の特徴には、社員(ここでは、出資者という意味)全員が有限責任者として、経営にかかわるという点があります。有限責任者とは、会社が倒産したときなどに、出資額を限度として債権の責任を負う者のことです。


合同会社を設立するメリットとしては、経営者と社員が一緒であるため、経営の自由度が高いことが挙げられます。また、定款の認証が不要で、比較的簡単に会社を設立できる点もあるでしょう。


出典:合同会社の設立手続について|法務省
参照:https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00141.html


出典:会社法|e-Gov法令検索
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=417AC0000000086

株式会社

株式会社は、よく耳にすることがある会社の種類でしょう。株式会社は、出資した人が株主となり、株主総会に参加し、経営者を選べるという特徴があります(所有と経営の分離)。


株主となった者の責任の範囲は有限責任であるため、出資金を集めやすいということが株式会社を設立するメリットです。また、株式会社は法律規制が厳しいため、合同会社よりも社会的信用度が高いというメリットもあります。


ただ、定款の認証が必要、登記にかかる登録免許税が最低15万円必要などのデメリットがあるため、誰でも簡単に設立できるものではないでしょう。


出典:株式会社の設立手続(発起設立)について|法務省
参照:https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00134.html

フリーランスエンジニアから法人化する8つのメリット

フリーランスエンジニアから法人化するためには手続きが必要なため、面倒に感じる人もいるでしょう。しかし、法人化することには、事業面、税金面で様々なメリットがあります。


ここからは、フリーランスエンジニアから法人化する8つのメリットを見ていきましょう。

1:取引先に損害を与えたときにリスクを分けられる

フリーランスエンジニアは個人で事業を営むため、一人ですべての責任を負わなくてはいけません。取引先に大きな損害を与えた場合、個人の資産を持ち出して責任を負わなくてはいけないこともあるでしょう。


しかし、法人化すると出資者が出資金の範囲内で責任を負う、有限責任となります。取引先に損害を与えたときのリスクが、一部に集中することはありません。


取引先に損害を与えたときのリスクを分けられることは、フリーランスから法人化する大きなメリットでしょう。

2:消費税の支払いを2年間免除される場合がある

フリーランスが法人化すると、事業者免税点制度を利用して、消費税の支払いが最長2年間免除される可能性があります。


基準期間(2年前)の課税売上高が1000万円を超える場合もしくは、特定期間(前年の1月1日から6月30日まで、前事業年度開始日以後6ヶ月間)の課税売上高が1000万円を超える場合には、課税事業者となり消費税を納めなくてはいけません。


しかし、新設法人には基準期間がないため、設立当初2年間は免税事業者として、消費税の支払いが免除されます。ただ、これは資本金1000万円未満の法人に限られるため、資本金1000万円超の法人は免税されません。


出典:消費税のしくみ|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_3.htm


出典:消費税の中小・小規模事業者向けの特例に関する資料|財務省
参照:https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d06.htm

3:役員報酬や退職金などの損金を経費として落とせる

フリーランスの場合、自分に支払う給与は経費として落とせないため、所得税の課税対象になります。フリーランスは売り上げが増えると、税金が高くなり、手取りが減ってしまうのが現状です。


しかし、フリーランスから法人化すると、自分や役員に支払う報酬や退職金などを損金(費用)として経費計上できるため、法人にかかる税金を減らせるでしょう。


ただし、損金にできる役員報酬は定期同額給与、事前確定届出給与、業績連動給与だけです。これらに該当しないものは経費として落とせないため、注意しましょう。また、受け取った報酬に対して、所得税が課されます。


出典:No.5211 役員に対する給与(平成29年4月1日以後支給決議分)|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5211.htm

4:社会的に信用されやすい

前述しましたがフリーランスエンジニアは、社会的信用度が低いと言われており、事業融資やクレジットカード、賃貸契約の審査に通りにくい傾向があります。フリーランスとの取引はしないと言う企業もあり、事業拡大しにくいと感じることもあるでしょう。


フリーランスが法人化すれば、法律に基づき厳格に運営されていることなどから社会的に信用されやすくなり、これらの不安も解消される可能性があります。事業拡大をしたい場合や事業融資の利用を検討している場合には、法人化しておいた方が良いでしょう。

5:社会保険に入れる

フリーランスエンジニアは、国民年金や国民健康保険に加入する決まりになっているため、社会保険(厚生年金や健康保険)には加入できません。


しかし、フリーランスエンジニアから法人化することで、経営者本人も従業員も社会保険に加入できるようになります。


社会保険に加入すると会社と加入者で保険料を折半することになるため、加入をためらう方もいるでしょう。しかし、社会保険に加入することで、将来もらえる年金額が増えたり、健康保険の給付も充実するというメリットがあります。


求人票に「社保完備」と書くこともできるようになるため、人材を集めやすくなる可能性もあるでしょう。


出典:平成28年10月から厚生年金保険・健康保険の加入対象が広がっています!(社会保険の適用拡大) |厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/2810tekiyoukakudai.html

6:決算期を自分で選べる

フリーランスエンジニアの課税期間は暦年で、決算期は12月と決まっています。決算期や課税期間を勝手に変更することはできません。繁忙期と確定申告の時期が重なり、手続きに追われ大変な思いをしてしまうこともあるでしょう。


一方、法人の場合、決算期を自分で自由に選べ、後から変更することもできるようになっています。繁忙期を避けたり、売り上げのピークの後に設けたり、柔軟に決算期を選ぶことが可能です。


また、法人の課税期間は事業年度で、確定申告および納税は、課税期間末日の翌日から2ヶ月以内となっています。


出典:消費税の基礎知識|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
参照:https://j-net21.smrj.go.jp/startup/manual/list8/8-4-5.html

7:給与所得控除の適用ができる

フリーランスエンジニアが法人化すると自分に支払われる役員報酬などを経費として落とせるだけでなく、給与所得控除も利用できます。


フリーランスの場合、事業所得から必要経費を差し引いた所得に税金がかかるため、給与所得控除の恩恵を受けることはできません。


法人化すれば給与所得控除を利用できるようになるため、節税になるでしょう。


出典:No.1410 給与所得控除|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm

8:会社経営の勉強ができる

会社を経営するためには、経営の目的・仕組み、経営者の責任、人事、経理など様々な知識が必要です。


小さくても法人を作って経営者になることで、実際に体験しながら会社経営について勉強できます。会社経営とは何かを自分で説明できるようになりますし、書籍を利用するよりもしっかりとした知識が身につく可能性が高いでしょう。

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フリーランスエンジニアから法人化する5つのデメリット

フリーランスエンジニアから法人化することには、デメリットも存在します。ここからは、フリーランスエンジニアから法人化する5つのデメリットについて見ていきましょう。


フリーランスエンジニアから法人化する場合には、デメリットも理解した上で、手続きに入るようにしてください。

1:売り上げがなくても税金を払わないといけない

フリーランスエンジニアは、売り上げがない場合や売り上げがあっても経費を差し引いて赤字になってしまう場合には、税金を払う必要はありません。


しかし、法人化すると赤字や売り上げがない場合でも、法人住民税の均等割部分の支払い義務があります。法人住民税の均等割とは、法人が等しく負担する税金です。


法人住民税の均等割には、都道府県民税均等割と市町村民税均等割の2つがあります。小規模な法人の場合、利益に関係なく、毎年7万円ほどの税金が発生するため注意しましょう。


出典:地方税制度|総務省
参照:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_08.html

2:役員報酬を決めるのに苦労する

法人化した場合、自分やそのほかの役員に支払われる報酬は、年度初めに決定することになっています。一度、役員報酬を決めると、想定よりも売り上げがなかった場合でも、その年度の金額を変更することはできません。


売り上げ金額に応じて役員報酬の増減ができないため、報酬額を決めるのに苦労するでしょう。


出典:No.5211 役員に対する給与(平成29年4月1日以後支給決議分)|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5211.htm

3:設立するのにお金がかかる

法人を設立する場合、法務局で設立登記の申請と公証役場で定款の認証を行わなくてはなりません。


株式会社を設立する場合、登記申請には最低15万円の登録免許税がかかります。定款の認証には、発起人の印鑑証明書と認証手数料として5万円が必要です。さらに、定款の認証を電子ではなく紙でする場合には、4万円の収入印紙が必要になります。


設立にお金がかかることを理解して、法人化するか検討しましょう。


出典:株式会社の設立手続き|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
参照:https://j-net21.smrj.go.jp/startup/manual/list6/6-2-1.html


出典:No.7191 登録免許税の税額表|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm

4:社会保険料の支払いが上乗せされる

フリーランスエンジニアから法人化すると、従業員が一人の場合でも、社会保険(厚生年金保険および健康保険)への加入が義務付けられています。


法人化し社会保険に加入すると、保険料の半分を会社が負担しなくてはなりません。


社会保険に加入すると、もらえる年金額が増える、保障が受けられるというメリットがある反面、保険料の負担が増えるということも理解しておかないといけないでしょう。


出典:事業所が健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/20130502.html


出典:厚生年金保険料等の納付|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/nofu/nofu.html

5:経理や税金に関する勉強が必要となる

法人化し経営者になったら、決算報告に備えて、「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」などの財務諸表を読み取れるようにしておかなければなりません。


また、会計処理は複式簿記による記載が義務付けられているため、簿記の知識も必要ですし、税金に関する知識も必要です。


税理士や会計士などの経理のプロに依頼することもできますが、会社の財務状況を自分で把握するためには、経理や税金に関する勉強が必要となるでしょう。

フリーランスエンジニアが法人化するために必要な手続きは?

フリーランスエンジニアから法人化することを決めたらどのような手続きをしたら良いのでしょう。ここからは、フリーランスエンジニアが法人化するために必要な手続きを紹介していきます。

設立するための手続きをする

フリーランスエンジニアが法人化するにはまず、発起人を選出し、定款を作成します。


発起人とは、定款の作成や資金の出資などの法人設立のための手続きをする人のことです。発起人には誰でもなれますが、一人会社の場合は自分がすべての役割を担うことになります。


定款とは、会社の根本規則が記載された、「会社の憲法」のようなものです。必ず記載する絶対的記載事項と法的に記載しなくても良いが、記載しないと効力が認められない相対的記載事項、自由に規定できる任意的記載事項の3種類を載せます。

役員報酬をいくらにするか決める

役員およびみなし役員の役員報酬をいくらにするか決める必要があります。役員報酬は、法人設立から3ヶ月以内に決めなくてはいけません。なお、2年目以降は事業年度開始から3ヶ月以内であれば、役員報酬の改定ができるようになっています。


役員報酬は、毎月同額でなければならない(定期同額給与)という決まりがあり、定期同額でない部分については損金として計上できないため注意しましょう。また、役員報酬を決める場合には、株主の決議を取らなくてはなりません。


出典:役員に対する給与と賞与はどう処理すればいいの?|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
参照:https://j-net21.smrj.go.jp/accounts/tax/20140328_12.html


出典:No.5211 役員に対する給与(平成29年4月1日以後支給決議分)|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5211.htm

設立登記を申請する

本店所在地を管轄する法務局などで、設立登記申請します。


株式会社を設立する場合、「株式会社設立登記申請書」「登録免許税の収入印紙貼付台紙」「定款」「設立時取締役の就任承諾書」「取締役の印鑑証明書」「払い込みを証する書面」「印鑑届書」などの書類が必要です。


また、登録免許税として資本金の1000分の7の額(この金額が15万円に満たない場合には15万円)を支払わなければなりません。


合同会社を設立する場合には、「合同会社設立登記申請書」「登録免許税の収入印紙貼付台紙」「定款」「代表社員の印鑑証明書」「払い込みを証する書面」「印鑑届書」などの書類と、資本金の1000分の7の額(この金額が6万円に満たない場合には6万円)の登録免許税が必要です。


出典:株式会社の設立手続き|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
参照:https://j-net21.smrj.go.jp/startup/manual/list6/6-2-1.html


出典:合同会社の設立手続き|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
参照:https://j-net21.smrj.go.jp/startup/manual/list6/6-3-5.html

諸官庁へ必要な届出を出す

設立登記申請が終了したら、税務署や都道府県税事務所、市町村役場などの諸官庁へ必要な届出をしましょう。


税務署に提出する書類には、「法人設立届出書」「給与支払事務所等の開設届出書」「青色申告の承認申請書」「源泉所得税の納金の特例の承認に関する申請書」「棚卸資産の評価方法の届出書」「減価償却資産の償却方法の届出書」などがあります。


都道府県税事務所などに提出する書類には、「法人設立届出書」がありますが、手続きの方法が自治体で異なるため確認しましょう。


出典:株式会社の設立手続き|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
参照:https://j-net21.smrj.go.jp/startup/manual/list6/6-2-1.html


出典:合同会社の設立手続き|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
参照:https://j-net21.smrj.go.jp/startup/manual/list6/6-3-5.html

健康保険や年金の手続きをする

常時従業員を雇用する(事業主一人だけも含む)法人事業所には、健康保険や厚生年金への加入が義務付けられているため、手続きする必要があります。


事実発生から5日以内に「健康保険・厚生年金保険新規適用届」および「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を年金事務所に提出しましょう。また、被扶養者がいる場合には、「健康保険被扶養者(異動)届」も速やかに提出してください。


出典:新規適用の手続き|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/20150311.html


出典:就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/hihokensha1/20150422.html

フリーランスエンジニアから法人化する際の6つの設立手順

フリーランスエンジニアが法人化する場合、どのような手順で設立を進めれば良いか分からないという方も多いでしょう。


ここからは、フリーランスエンジニアから法人化する際の6つの設立手順を紹介していきます。

1:どの司法書士に相談するのか決める

フリーランスエンジニアが法人化するためには、法務局に足を運び登記申請しなくてはいけません。法人化するための手続きをすべて一人で行うのは簡単なことではないため、司法書士に代行してもらうと良いでしょう。


司法書士は、法務局などに提出する書類などの作成を担う法律の専門家です。商業登記も業務として行っているため、法人を設立するための登記も代行してもらえます。法人化を決めたら、どの司法書士に相談するか最初に決めておきましょう。

2:会社の住所を決める

設立登記申請などの書類に記載する会社の住所(所在地)を決めておかなくてはなりません。自宅を事務所とする方が多いため、一般的に自宅の住所をそのまま会社の住所として登録します。


しかし、自宅が賃貸の場合、契約で法人登記には利用できないことが決まっていることが少なくありません。


自宅が賃貸の場合、事務所使用できる賃貸物件やレンタルオフィス、住所のレンタルサービスなどを利用して、書類に記載できる会社の住所を確保しておきましょう。


出典:株式会社の設立手続き|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
参照:https://j-net21.smrj.go.jp/startup/manual/list6/6-2-1.html


出典:合同会社の設立手続き|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
参照:https://j-net21.smrj.go.jp/startup/manual/list6/6-3-5.html

3:資本金を設定する

住所が決まったら、資本金を設定しましょう。


以前は、株式会社の設立には最低1000万円の資本金が必要などの最低資本金制度がありましたが、現在は廃止されており、資本金は1円から会社が設立できるようになっています。


ただ、資本金は会社の体力や規模を示す、社会的信用にかかわるものです。資本金1円で設立してしまうと、信用してもらえない可能性があります。慎重に資本金の額は、設定しましょう。


出典:新会社法って何ですか?資本金1円でも会社が設立できると聞きました|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
参照:https://j-net21.smrj.go.jp/qa/startup/Q0021.html

4:正式に司法書士に依頼を出す

準備が整ったら、正式に設立登記の代行を司法書士に依頼します。


司法書士理に依頼すれば、書類の作成から法務局での登記申請まで代行してもらえるため、忙しい方はもちろん、手続きに不安を抱えている方は早めに依頼しておきましょう。


ただ、司法書士に登記の代行を依頼すると、代行依頼費用が発生してしまいます。株式会社の設立で、おおよそ7万円~10万円の費用が必要になることを理解しておきましょう。

5:法人で利用する銀行口座を作成する

法人を設立した場合、社会的信用を高め、財務状況が把握しやすくするために法人用の銀行口座を早めに作成しておくようにしましょう。


法人用の口座を開設できる金融機関には様々な種類がありますが、オフィスから納税ができるダイレクト納付に対応したところがおすすめです。


「商業登記謄本(履歴事項全部証明書)」「定款」「会社印」「会社の印鑑証明書」「代表者の実印」「代表者の印鑑証明書」「身分証明書」などの必要書類を持って口座開設申請してください。


また、法人用の口座を開設する場合、国税庁の指示通りに特定法人に該当するか確認しておかなくてはいけません。特定法人に該当する場合には、実質的支配者の氏名や住所などを届出書に記載する必要があります。


出典:制度の概要(リーフレット等)|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kokusai/crs/summary.htm


出典:利用可能金融機関一覧|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/kinyu.htm

6:顧問税理士と契約を結ぶ

法人化する場合、顧問税理士と契約を結ぶのが一般的です。


法人化すると、フリーランスのときよりも、会計処理、税務会計、資金調達など経理などにかかる負担は増えてしまいます。税理士に依頼すればこれらの業務のサポートを受けられるため、顧問契約を結んでおくようにしましょう。

フリーランスエンジニアが法人化を考えるタイミングは?

最後に、フリーランスエンジニアが法人化を考えるタイミングについて紹介していきます。


どのタイミングで、フリーランスエンジニアから法人化すれば良いのか分からないという方が多いでしょう。ここで紹介することが、自分に当てはまるか考えて法人化するタイミングを検討してください。

課税所得が330万円を超えた

(1)法人に係る税金について

法人には利益に対して、一般的に言われている「法人税」の他、「地方法人税」、「法人住民税」、「法人事業税」が課税されます。「法人税」自体の税率は「15%~23.2%」とされていますが、他の税金(地方法人税等)を加味しますと、概ね下記のような税率となります。


課税所得 400万円以下:22.4%

課税所得 400万円超~800万円以下:24.9%

課税所得 800万円超:36.8%


(2)個人事業主に係る税金について

個人事業主には課税所得に対して、「所得税」、「住民税」、「個人事業税(課税所得290万円以上の場合)」が課税されます。「所得税」は所得金額に応じて5~45%、「住民税」は所得金額に対して一律10%、「個人事業税」は課税所得から290万円を引いた金額に対して5%の税金がかかります。


(1)と(2)を比べますと、個人事業の方は課税所得が330万円を超えたところで、「所得税:20%」、「住民税:10%」、それに加え「個人事業税」が課税されることになり、税の負担は課税所得330万円を超えた部分に関して「30%超」の税率となります。(ちなみに、330万円以下であれば20%程になります)

  

対して法人は課税所得400万円以下であれば「22.4%」、多めに見積もって400万円超~800万円以下であっても「24.9%」となります。そのため、「課税所得330万円を超えた」場合が法人化検討のタイミングの一つであると考えられます。


出典:No.2260 所得税の税率|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm


出典:No.5759 法人税の税率|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5759.htm

売り上げが1000万円を超えた

売り上げが1000万円を超えたら、2年後に消費税を納税しなくてはいけないということを前述しました。しかし、資本金1000万円以下の新設法人は基準期間がないため、2年間消費税の支払いが免除されます。


フリーランスエンジニアとしての売り上げが1000万円を超えて、2年経った頃に法人化することで、消費税の支払いが合計4年間も免除されるのです。


売り上げが1000万円を超えたら、消費税の支払いを迎える前に法人化した方が良いでしょう。


出典:No.6503 基準期間がない法人の納税義務の免除の特例|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6503.htm

フリーランスエンジニアから法人化するメリットを知ろう

フリーランスエンジニアから法人化することで、設立費用がかかる、社会保険料の負担が増えるなどのデメリットはありますが、社会的信用が高まり、税制面での優遇も受けられます。


メリットもデメリットも理解して、課税所得が800万円を超えたときや、売り上げが1000万円を超えたときは、フリーランスエンジニアが法人化することを検討しましょう。

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この記事の監修

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株式会社Miraie

2007年設立のシステム開発会社。首都圏を中心にWeb・IT関連事業、コンサルティングサービス、人材派遣サービスなどを展開。 SES事業や受託開発などを中心にノウハウを蓄積しながら、関連事業へとビジネスの裾野を広げています。

監修者インフォメーション

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2007年7月(3月決算)
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