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スマホアプリ開発ではマルチプラットフォームへの対応が盛んであり、そのためのFWとしてFlutterに注目が集まっています。本記事では、Flutterの特徴、メリット・デメリットなど基礎的な知識から将来性、学習の始め方などを紹介・解説します。
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目次
「Flutterって名前は聞いたことがあるけれど、どんな技術なんだろう」
「Flutterを使って何ができるの」
「FlutterとReactNativeって何が違うのだろう」
ITエンジニアとして働く方の中には、Flutterというキーワードを耳にしたことがある人も多いでしょう。将来性の高い技術だと聞き、興味を深め、習得を検討している方もいるのではないでしょうか。
本記事では、Flutterについて、注目を集める背景や概要、メリット・デメリットから将来性、ライバルとなるReactNativeとの比較まで紹介し、さらに習得したい方に向けて学習方法も説明します。
この記事を読むことで、Flutterについて理解を深め、習得方法を知ることが可能です。Flutterに興味がある方や習得検討中の方は、第一歩としてご活用ください。
Flutterは2018年頃にGoogleが開発したネイティブアプリ向けとして人気の高いフレームワークです。Webやデスクトップアプリの開発にも対応していますが、日本国内ではスマートフォンやタブレット端末向けのアプリ作成に主に利用されています。
フレームワークとはアプリやソフトウェアを開発する際に必要な機能や骨組みをまとめたものです。フレームワークを活用することによりソフトウェアの開発生産性と品質向上が見込めることから、ネイティブアプリ作成においてもフレームワークの利用は一般的です。
Flutterを用いることで開発プロセスを改善することも見込めます。ビルド、テスト、デプロイに対しても機能を提供しているためです。
機能性も高く、様々な企業でもFlutterを採用したアプリを提供しており、事例も増えていることから、今後も広く活用されていくことが想定されます。
スマートフォンやタブレット端末は相当な速度で社会に普及した技術です。2007年にiPhone初代が登場してからたった十数年でほとんどの人がスマートフォンをもつようになりました。2023年4月のNTTドコモ モバイル社会研究所による調査では、2010年時点で携帯電話におけるスマートフォンの比率は4%程度だったものが2023年時点では96.3%と爆発的な速度で普及したことを知らせています。
それと並行してスマホアプリ市場の拡大も非常に顕著です。調査会社パノラマデータインサイトの2022年の調査では、2021年時点のスマホアプリ市場は世界で100億米ドル程度であり、2030年時点では410億米ドルに到達することが想定されます。
ただし、課題もない訳でもありません。一つのアプリ開発において、iSO、Android の両方に対応しなくてはならないため開発やテストにかかる工数がかさみ開発期間の延伸に繋がってしまうことです。
Flutterはこのスマホアプリ開発における課題にマルチプラットフォームへの対応という一つの答えを持っており、高品質で開発期間を縮めることが可能な選択肢であるため、将来性は高いと言えるでしょう。
本項では、背景となるモバイルアプリ開発の状況とFlutterが注目を集める理由についてより詳しく紹介します。Flutterの習得や活用を検討している方は、参考にしそくどてください。
モバイルで利用できるアプリには、インストールを行って使うネイティブアプリとWebブラウザを利用して使うWebアプリ、この2つの良いとこどりをしたハイブリッドアプリなどが登場しています。Flutterはこのうちネイティブアプリとハイブリッドアプリで利用されます。
各種のアプリ、サービスやゲーム開発などへの利用が盛んで、日本・世界ともにモバイルソフトウェア市場は拡大傾向が継続中です。
課題は複数のOSに対して別々のプログラムを作成する必要があり、Webサービス開発費用や期間の面で大きな負担となっていることです。
先ほども記述した通り、複数OSへの対応がモバイルアプリ開発へ求められる課題です。そこで、様々なマルチプラットフォーム向けアプリ開発のための言語やFWなどが登場してきました。
同じアプリケーションをPCやスマートフォン、タブレットなどの複数の環境やデバイスで使用するマルチデバイスと呼ばれる技術が広まっています。それに加えて、マルチデバイス化が進むとプラットフォームごとにデザインなどに差がでてしまうと、ユーザは使いにくくなってしまいます。そのため、マルチプラットフォームへの対応も進められているのです。
Flutterは複数のプラットフォームに対応しており、マルチデバイスへの対応が容易のため、将来性があると言えます。
これらのマルチプラットフォームでのアプリ開発は、一つのソースコードを作れば、複数の環境向けにビルドを行いモジュールを作成することができます。
従来のネイティブアプリ開発では、OS別に下記の言語が使われてきました。これらは、マルチプラットフォームに対応した環境が登場して以降も継続的に利用されています。
Android:Java、Kotlin
iOS:Swift、objective-C
その後に登場したマルチプラットフォーム開発向けのフレームワークやライブラリでは、下記の言語により開発が行えます。
Flutter:Dart
Xamarin:C#
ReactNative:JavaScript
Apache Cordova:複数の言語をサポート
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FlutterはGoogleトレンドにおいて、世界のITの中心であるアメリカ、中国、インドなどのIT大国で注目度が右肩上がりです。今後は他の国でも注目度が高まることが予想されています。
2020年9月頃にGoogleがGoogle PlayをFlutterに変更したと発表がありました。このことから、開発元であるGoogleがFlutterに注力していることが伺われ、ますます開発者や企業の注目を集めました。
Flutterが注目を集める具体的な理由としては、以下があげられます。
Flutterで使用するDartはJavaやJavaScriptに似た文法を用いています。そのため、JavaやJavaScriptの経験がある開発者は、学習期間を短くできるということも注目を集める理由です。
JavaやJavaScriptは人気が高く、2つの言語を使用した経験のある開発者も多くいることから、Flutterの利用開始へのハードルは低く、取り入れやすいと考えらえています。
2021年3月にFlutterの新バージョンとしてFlutter2がリリースされました。
Flutter2ではワンコードでiOS、Androidモバイルアプリ、Webアプリ、組み込みデバイスアプリなどの生成まで可能になりました。さらに、Flutter2ではPCのアプリケーション、IoTデバイス向けアプリケーションまで対応できるようになったため、ほぼ全てのプラットフォームをカバーできます。
Flutter2で対応できる幅がさらに広がり、利用の普及にも貢献すると考えられます。
さらには、継続的に開発・リリースが続いており、2024年2月には、Flutter 3.19 and Dart 3.3がリリースされました。今後もネイティブアプリ開発に向けた新機能を追加しながら成長し続ける言語として、将来性があるといえます。
Flutterを取り入れ、開発されたアプリケーションの事例が増加しています。
農機メーカーのクボタは、故障診断アプリ「Kubota Dignostics」を提供しています。このアプリは販売代理店のサービスエンジニア向けの故障診断をサポートしてくれるもので、拡張性を鑑みて、Flutterで作られました。
また、トヨタ系列のトヨタコネクディッドでは、次世代のインフォテインメントのシステム構築にFlutterを採用して開発を行っています。
企業でのFlutterの採用は、Flutterの有用性を裏付けるものとなります。今後も多くの企業で採用されていくことが予測されるため、Flutterとそれを活用するエンジニアの将来性は高いと言えるでしょう。
Flutterは多くの特徴を持っており、これらが優秀なフレームワークであることを支えています。本項では、Flutterの特徴や開発上の利点を6つにまとめて、詳しく紹介します。
Flutterが従来の開発方法、言語などと比べて優れている点を理解し、採用検討の材料としてください。
Flutterは宣言型UIプログラミングが採用されています。宣言型UIプログラミングはWebサイトやアプリケーションUIを実装する方法についての概念の一つです。
宣言型UIプログラミングはステータスに応じてどのような表示をするべきかを宣言するように実装していくのが特徴です。作りたいUIと書くコードが対になっているため、非常に書きやすくなっています。
UIが作りやすい宣言型UIプログラミングが用いられているのはFlutterの特徴の一つです。
Flutterではウィジェットと呼ばれる極小で単機能な部品を組み合わせてUI構築を行います。
Flutterには、ウィンドウや入力ボックスなどがあらかじめウィジェットとして定義されており、こちらを組み合わせることでUIが構築可能です。
また、ウィジェットを組み合わせてUIを構築するとツリーのような構造になり、このツリーによる階層構造をウィジェットツリーと呼びます。
ウィジェットがすでに定義されており、UI構築をこれまで以上に効率的に開発できることがFlutterの特徴の一つです。
Flutterはモバイル端末向けのAndroid、iOS、PC・サーバー向けのWindows、macOS、LinuxおよびWebに対応しています。
Flutterを用いると一つのコードベースでこれらの環境向けのアプリケーションを作成できます。従来の開発とは異なり、様々なOSに対応することが一度の開発で可能となり、OSごとの開発をしなくて済むため、開発期間や費用の削減が可能です。
従来のモバイルアプリが抱えていた開発の手間を解消し、開発効率を向上できる点が特徴の一つです。
ホットリロード機能とは、プログラムの実行中にソースコードを変更できる機能のことです。ホットリロード機能により、変更したプログラムの内容をすぐにUIに反映することができます。
動作確認をしながらの開発でソースコードを編集する際に、アプリの再起動をできるだけ減らすことができます。再起動にかかる時間を削減することで、生産性を大きく向上させることが可能です。
Flutterはホットリロード機能により実行中のプログラムのコードの編集と反映ができるため、プログラムを実行しながらの微妙な修正などが行いやすいです。
Flutterではマテリアルデザインが採用されています。
マテリアルデザインとはGoogleが提唱しているデザインのことです。デザインには明確なガイドラインが定められており、「見やすく、直感的に操作できるWebページ・サービス」を作ることを目的としています。
Flutterでは、簡単かつ自由度の高いカスタマイズをすることができるため、ユーザが使いやすいUIデザインが作成可能です。
FlutterではDartという言語を使って開発します。Dartは2011年にGoogleによって公開された、ウェブブラウザ上でのJavaScriptに置き換わることを目的に開発されました。
その後、競合していたTypeScriptがGoogle社内の標準言語として採用されており、JavaScriptがブラウザスクリプトとして地位を確立していたため、Dartは普及しませんでした。
しかし、Flutterの普及に伴い、Dartが再び注目を集めています。
Flutterを用いることで、スマホ向けネイティブアプリを従来に比べて短期間かつコストを抑えて開発することができます。
ここでは、Flutterで開発を行うメリットを4つ紹介します。ネイティブアプリの開発に向けて採用言語を悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
特徴としてもあげていますが、Flutterを用いることでマルチプラットフォームに対応することが可能です。
Statcounterによると2024年3月22日時点で世界のスマホ向けのOSのシェアは、Androidが約70%、iOSが約30%です(日本国内ではiOSが約65%、Androidが約35%)。いずれのOSも重要なのですが、従来はそれぞれ別の言語でのアプリ開発が必要でした。AndroidとiOSの各OS向けに別々の開発を行う必要があることは、コストやスピードの面で大きな制約となっていました。
Flutterなどのマルチプラットフォームでの開発を実現する技術により、スマホアプリ開発の効率化が図れます。単純に数えれば、従来の半分の開発量で両方のOSに対応できるため、コスト、開発スピードの面で大きなメリットがあります。もちろん、実際に半分にはなりませんが、それでも開発や管理上大きなメリットとなることは変わりません。
プログラミング言語やフレームワークの発展においては、開発元がリソースを投入して拡張を続けていくことが重要な要素です。
Flutterは世界的に大手のIT企業Googleがバックグラウンドとなってサポートしているため、今後も継続的に発展する可能性が高いです。このことは、継続的に開発を続けるプラットフォームとしてFlutterを選択するメリットといえます。
Flutterは、Android、iOS、Web、Windows、macOS、Linuxなどマルチプラットフォームに対応しています。
従来は、それぞれのプラットフォームごとに保守体制を組む必要がありました。しかし、Flutterではプラットフォームごとにエンジニアを準備する必要がなく、人員リソースを削減することができます。
また、各プラットフォームをまとめて開発できることで、開発リソースを集中させて品質を高めることができます。ソフトウェアの品質向上によりバグの発生率を抑えることも望めます。バグへの対応も、プラットフォームごとに個別に行う必要がないため、保守に必要な工数を削減することも可能です。
さらに機能追加や、仕様変更する際もそれぞれのプラットフォームをまとめて対応できるため、効率的に保守運用することができるでしょう。
Flutterは、マルチプラットフォームに対応しているため、保守コストを削減することができます。
Flutterはマルチプラットフォームに対応しているため、プラットフォーム別に開発する必要がありません。従来はそれぞれのプラットフォームごとに開発していましたが、Flutterでは複数のプラットフォーム向けアプリをまとめて開発できるため、開発期間を短縮することが可能です。
また、Flutterにはホットリロード機能があり、修正にかかる時間も削減できます。こちらも開発を効率化することに繋がります。
マテリアルデザインが採用されているため、ユーザの使いやすいUIを容易に作成することができ、デザインにかかる時間の削減や開発にかかる時間を削減することもできるでしょう。
Flutterのマルチプラットフォームに対応している特徴は、仕様変更の発生に対しても対応の速度をあげることができます。
これまでは仕様変更が発生した際に、それぞれのプラットフォームごとにコードを変更する必要がありました。しかし、Flutterではまとめて修正できるため、従来に比べて簡単に仕様変更に対応できます。
アプリ開発上で発生する仕様変更への負荷を減らすことができます。開発者の負荷を下げ、開発プロジェクトをスムーズに進行させることができるのは大きなメリットとなります。
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Flutterで開発を行うことには、メリットだけではなくデメリットも存在します。以下では、Flutterのデメリットをご紹介します。
開発するアプリケーションやエンジニアによっては、デメリットの影響が少ないものもあるためチェックしておいてください。
Flutterはまだ登場からの歴史が浅いため、日本国内の技術者も多くはありません。そのため、日本語で書かれた技術情報や文献が少なく、開発者は英語の技術情報から情報収集をする必要があるケースが多いです。
Flutterを用いた開発でトラブルが発生した際は、少ない情報で対処しなければなりません。海外生まれの誕生して間もないフレームワークのため、この点はデメリットと言えるでしょう。
Flutterでは複数のプラットフォーム向けのアプリをまとめて開発できます。一般的なスマートフォンに搭載されている基本機能であるカメラ、GPS、プッシュ通知などはFlutterでも連携可能です。
しかし、各端末の固有機能を使うにはそれぞれのプラットフォームごとにカスタマイズして開発する必要があります。複雑な仕様や細かなカスタマイズはそれぞれのプラットフォームごとに対応しなければなりません。
Flutterでは端末の固有機能までは活用できる開発ができず、固有機能を利用したい場合は従来通りのそれぞれのプラットフォームで開発が必要になる点は、デメリットと言えるでしょう。
特にiOSおよびiPhoneは、Swiftでないと制御しづらいケースが多いようです。
Flutterの習得に向いている人の特徴を紹介します。
Flutterの将来性は高いため、自身が特徴に該当しているかチェックし、ぜひFlutterに挑戦してみてください。
ほぼすべてのプラットフォームに対応できるFlutterは、アプリケーションエンジニアとしてスキルを磨きたい方におすすめです。
ほぼすべてのプラットフォームに対応できるFlutterは、エンジニアにとっては一つの技術習得で活躍の場を広げられる技術といえます。アプリケーションエンジニアとしてスキルを磨きたい方におすすめです。
今後はスマートフォンやPC、タブレットなどの複数のデバイスを同じユーザーが同時に利用し同期を行うクロスデバイスが当たり前になっていくでしょう。これからの将来を考えたときに様々なプラットフォームに対応できるのは、キャリアを築く上で有利になります。
これからアプリケーションエンジニアとしてスキルを磨きたい人に、Flutterはおすすめです。
Flutterで使用するDartは、JavaやJavaScriptに文法が近いため、JavaやJavaScriptを使える人にはおすすめです。JavaやJavaScriptを習得している人は他の言語に比べて学習コストが低く、Flutterの習得におけるハードルも低いため、効率的に身につけることができるでしょう。
サーバー側のスキルは持っており、フロントエンドのスキルを身につけたい方にもFlutterはおすすめです。
Dartはサーバーサイドで使用する言語と特性が似ているため、学習しやすいです。特にJavaやJavaScriptとDartは似ているため、Webアプリの開発力を高めることができるでしょう。
さらに、LinuxなどのOSにも対応しており、対応できるプラットフォームの幅を広げることもできます。
フロントエンドとしてのスキルを幅広く身につけることができるため、Flutterの習得がおすすめです。
Flutterをこれから始める方にはオフィシャルサイトの活用をおすすめします。
Flutterのオフィシャルサイトではレベルにあわせて初心者、中級、高度の学習コンテンツが準備されており、インストール方法から実際の開発まで学習することができます。全て英語ですが、ブラウザの自動翻訳などが活用できます。まずは「Let's get started!」から、試してみてください。
近年では日本語でかかれたFlutterに関する書籍も登場していますので、こちらの活用も選択肢の一つです。
Flutterのオフィシャルサイトでは、順を追って学習するためにインストール方法から掲載されているため、初歩的なところでつまずくこともありません。個人や企業でも容易に導入することができます。
マルチプラットフォームに対応した開発フレームワークはFlutter以外にも存在します。その中でも、JavaScriptで開発できるReactNativeは人気がある技術です。
本項では、FlutterとReactNativeを比較します。
マルチプラットフォームの技術を習得し、ネイティブアプリ開発で活躍するキャリアパスをえがいている方は、Flutterの将来性なども考慮してどちらを学習するか、採用するかの参考にしてください。また、従来型の開発とFlutterによる開発のプロセスの違いも分かるため、ぜひチェックしてください。
ReactNativeとは、Facebook社(現Meta Platforms社)が開発したモバイルアプリケーションフレームワークです。JavaScriptによるWebのフロントエンド向けフレームワークReactがベースとなっています。
ReactNativeは、Flutter同様にマルチプラットフォームに対応しており、開発者の多いJavaScriptにより開発が可能なことから人気の高いフレームワークです。スマホアプリ開発ではFlutterと人気を分け合う競合関係にあるフレームワークといえます。
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FlutterとReactReactNativeについて、設計思想やプログラミング言語、パフォーマンス、アップデート方法の提供などについて比較しました。
Flutter | ReactNative | |
設計思想 | 一つのコードで複数のプラットフォームに対応できること | 一つの技術で複数のプラットフォームに対応できること 既存のWeb技術(React)をベースとしている |
使用言語 | Dart | JavaScript/TypeScript |
起動時間 | 長 | 短 |
アプリケーションサイズ | 小 | 大 |
メモリ使用量 | 大 | 小 |
ビルド実行時間 | 1回目は短 2回目以降は長 | 1回目は長 2回目以降は短 |
対応OS | iOS、Android、Windows、MacOS、Linux | iOS、Android、Windows |
UI | マテリアルデザインに準拠した独自のUI | ネイティブUI |
アップデート方法 | OTAアップデート非対応 | OTAアップデートに対応 |
※表内の長・短、小・大は2つのフレームワーク間での比較による表現です。
Flutterは、一つのコードで複数のプラットフォームに対応できることが特徴です。プラットフォームごとに変更する必要がありません。
ReactNativeは、一つの技術で複数のプラットフォームに対応できることが特徴です。一度習得してしまえば、どのプラットフォームでも動くコーディングができるでしょう。
ReactNativeは既存のWeb技術をベースに、Flutterはゼロから新しく設計されています。
起動時間はReactNativeの方が短いと言われています。Flutterは描画エンジンskiaの処理が負担となり、起動に時間がかかる傾向です。これは、skiaの独自の処理であるレンダリング処理が原因とされています。
ReactNativeはネイティブUIを原則使用しています。描画処理が簡素に行えるため、負担が少なく起動時間が比較的短い傾向にあるでしょう。
プラットフォームのネイティブUIを使用しているReactNativeの方が、起動時間の面では有利です。
ReactNativeに比べて、Flutterの方がアプリケーションサイズは小さいです。
FlutterはDartを使用し、ネイティブコードが基本であるため小さいデータ量で構築することができます。
ReactNativeは非ネイティブコードのJavaScriptを使用するため、Flutterよりも大きなデータ量が必要となります。
メモリ使用量の面ではReactNativeの方が有利です。
Flutterは独自の描画エンジンskiaを使用しているため、処理に負担がかかりメモリ使用量が多くなります。
ReactNativeはプラットフォームのネイティブUIを使用しているため、描画に負担があまりかからないことからメモリ使用量を抑えられます。
描画エンジンの処理を抑えられるReactNativeの方がメモリ使用量は少ないため、有利と言えるでしょう。
ビルド実行時間は初回はFlutter、2回目以降はReactNativeが短くなります。
Flutterは、最も時間のかかる初回のビルド実行時間をReactNativeの3分の1程度の時間で実行できますが、JavaScriptのバンドルの関係でReactNativeは初回の実行に時間がかかってしまいます。
しかし、2回目以降はReactNativeが有利です。
FlutterではiOS、Android、Windows、MacOS、Linuxに対応しており、ReactNativeはiOS、Android、Windowsにのみ対応しています。
Flutterの方が多くのOSに対応していることが分かるでしょう。いずれのフレームワークも対応範囲を広げることが想定されるため、今後の情報にも注目が必要です。
Flutterではマテリアルデザインに準拠した独自のUIを採用しています。UIも独自の描画をするskiaが使われており、プラットフォームに依存せず共通のUIを構築することができます。
ReactNativeはプラットフォームごとに用意された標準UIを原則的に流用するネイティブUIを採用しています。プラットフォームごとに別々のUIを構築する必要があります。
Flutterは、OTAアップデートができません。OTAアップデートとは、Google PlayストアやAppleストアなどのストアアプリの審査を通さずにアップデートする方式です。Flutterではアップデートするために、毎回プラットフォームストアアプリの審査を通さなければなりません。
ReactNativeはOTAアップデートが可能です。ストアアプリの審査を通す必要がないため、はやくアップデートを提供することができます。
アップデート方法の面からはReactNativeの方が有利と言えるでしょう。
Flutterの将来性は高いため、ぜひFlutterを学習して使いこなせるようになりましょう。
今後も需要が見込まれるスマホアプリ開発で、重要なポイントとなるマルチプラットフォームへの対応を備えており、エンジニアはFlutterを習得することで活躍シーンを増やすことが可能です。
登場から歴史が浅いため、他のフレームワークに比べて日本語での学習コンテンツは少ないですが、オフィシャルサイトには学習コンテンツが豊富に揃っているためぜひ活用してください。
また、ITエンジニアとして幅を広げたい方にはFlutterはおすすめです。将来性のあるFlutterを習得することでキャリアを広げ、エンジニア自身の市場価値を高めてくれるでしょう。
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監修者インフォメーション