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Linuxの資格とは?LPICとLinuCの概要・メリット、勉強方法、難易度、受験料について解説

Linuxの資格とは?LPICとLinuCの概要・メリット、勉強方法、難易度、受験料について解説

「Linuxの資格は意味がない」という声もありますが、実際にはLinuxのスキルを持つエンジニアは非常に高い需要があります。今回はLinuxの資格を取得するメリットや、意味がないと言われる理由について解説します。「LinuC」と「LPIC」の違いやそれぞれの試験内容、勉強方法、難易度、おすすめの参考書、受験料、有効期限についてもまとめました。

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目次

サーバーOSとして多くの企業で採用されている「Linux」。クラウドや仮想化、コンテナなどの最新技術にも欠かせないOSであるため、Linuxの資格を持つエンジニアは非常に高い需要があります。


この記事では、Linuxの代表的な資格「LinuC」と「LPIC」を中心に、試験内容や勉強時間・方法、受験料などを紹介します。併せて、Linuxの資格を取得するメリットや、取得後のキャリアパスについてもまとめました。


資格の難易度がひと目でわかる一覧表も作成したので、自分に合う資格試験がどれか判断できるでしょう。

【難易度】Linuxのおすすめ資格一覧表


Linuxのおすすめの資格を下記の一覧表にまとめました。それぞれの試験概要や勉強期間の目安をまとめたので参考にしてみてください。

試験試験時間出題数出題形式勉強期間目安
難易度
LPIC-1101試験
102試験
各90分各60問多肢
選択式
記述式
3か月~
半年程度
LPIC-2201試験
202試験
各90分各60問多肢
選択式
記述式
半年~
1年程度
LPIC-3300試験
303試験
305試験
306試験
各90分各60問多肢
選択式
記述式
半年~
1年程度
LinuC
レベル-1

101試験
102試験
各90分各60問多肢
選択式
記述式
1か月~
3か月程度

LinuC
レベル-2

201試験
202試験
各90分各60問多肢
選択式
記述式
3か月~
半年程度

LinuC
レベル-3

300試験
(混在環境)
303試験
(セキュ
リティ)
304試験
(仮想化と
高可用性)
各90分各60問多肢
選択式
記述式
半年~
1年程度
LinuC
システム
アーキ
テクト
SA01試験
SA02試験
各90分各40問多肢
選択式
記述式
半年~
1年程度

なお、目安の勉強時間(期間)に関しては、初めて取得を目指す方の場合を示しています。

未経験者の場合は、LPIC-1または、LinuCレベル-1の取得から目指すと良いでしょう。ある程度スキルや知識に自信がついてきた頃に、LPIC-2あるいは、LinuCレベル-2の取得を目指してみてください。

高難度な資格に挑戦して、さらなるキャリアアップを目指す方は、LPIC-3や、LinuCレベル-3、LinuCシステムアーキテクトの取得を検討しましょう。

Linuxに関する代表的な資格の種類


Linuxの資格としては、国際的な資格であるLPICと日本独自の資格であるLinuCが有名ですが、他にもさまざまな資格が存在しています。


そのため、Linuxに関する資格取得を検討している人の中には、数多くの資格の中からどれを選べば良いのか迷っているという人もいるのではないでしょうか。

ここでは取得を目指したいLinuxに関する資格を紹介していくため、ぜひ参考にしてみてください。

世界共通の資格である「LPIC」

LPICは、Linuxエンジニアとしてのスキルを証明できる国際的な資格です。LPIが主催している資格で、こちらは世界共通の認定資格となっています。


LPIC-1、LPIC-2、LPIC-3など、難易度ごとに3つのグレードにわかれているのはLinuCと同じです。また、3段階の試験以外にも「Linux Essentials」と呼ばれる入門者向けの資格も用意されています。

国内向けの資格である「LinuC」


出典:LinuC

LinuCは、Linux技術者としてのスキルを証明できる、日本国内に特化したLinuxの認定試験です。LPI-JAPANが認定している資格で、レベル1〜3のグレードにわかれています。

レベル1、レベル2はLinuxサーバーの構築と運用に関する知識、レベル3では各分野の最高レベルの知識を保有していることを証明できます。

日本独自の試験であるLinuCは、公式サイトなどもわかりやすい日本語になっているため、Linuxの試験の中でも特におすすめです。

LPICとLinuCの違いは?どっちがいい?

LPICとLinuCは、どちらも「Linux」というOSの知識・スキルを証明できる資格です。Linuxは、アプリ開発やサーバー構築といったシステム開発において、世界中で使用されています。

LIPICは、世界共通のIT資格として、180か国以上で試験が実施されているのに対し、LinuCは日本国内でのみ行われています。LinuCは海外での効力がやや弱い代わりに、日本市場において最適化した資格となっています。


つまり、海外の開発者として仕事をしていきたい方や、外資系企業での活躍を望む方は、「LPIC」がおすすめです。海外よりも日本を拠点にLinux技術者として活動したい方は、LinuCの取得を目指すと良いでしょう。

エンジニアがLinuxの資格を取得するメリット


Linuxは、企業向けのシステムのサーバーOSとしてよく利用されています。オープンソースのOSと言うこともあり、今後もLinuxの活用シーンは拡大していくでしょう。

このようなLinuxにはさまざまな資格が設けられており、エンジニアとしてLinuxの資格を取得することには多くのメリットがあります。

ここではエンジニアがLinuxの資格を取得するメリットを紹介していきますので、参考にしてみてください。
Linux_freelance_qualificationの記事

スキルの証明や技術力アップにつながる

Linuxにはさまざまな試験があり、難易度ごとにグレードがわかれている試験も多いです。Linuxの資格を取得することで、エンジニアとしてのLinuxのスキルをわかりやすく証明できるようになるでしょう。


また、Linuxの資格取得のために勉強することで、業務で必要なLinuxの知識やスキルを身につけていくことができます。そのため、技術力の向上にもつながるでしょう。

キャリアアップにつながる

エンジニアとして転職活動をする場合や、フリーランスとして案件獲得を目指す場合など、どれだけエンジニアとしてLinuxのスキルを持っていたとしても、それを表すことができなければうまくいきません。


しかし資格を取得しておけば、自身のスキルを客観的に証明できるようになります。たとえばLinux関連の資格を持っていれば、インフラ関係の案件で需要の高い人材と判断されやすくなるでしょう。


このように、Linuxの資格を保有しておくことで、自身のキャリアアップにもつながりやすくなります。

海外での活動にも活かせる

Linux関連の資格の中でも、LPICは世界共通の資格となっています。日本国内だけでなく、世界で通用する資格です。


そのため、LPICを取得しておけば海外での転職活動にも活かすことができるでしょう。将来エンジニアとしてグローバルに活躍したいと考えているのであれば、LPICを取得しておくことはおすすめです。


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Linuxの資格試験の内容・勉強時間


Linuxの資格における試験内容や、勉強時間について解説します。気になるLinux資格の概要や勉強時間をご確認ください。

Linuxの基本知識が問われる「LinuCレベル1」

「LinuCレベル1」は、仮想環境を含めたLinuxシステムの基本操作やシステム管理が行えるレベルの、Linux技術者を認定する資格です。


LinuCレベル1を取得することにより、仮想マシンとコンテナを含んだLinuxサーバーの構築、運用・管理ができること、クラウドを安全に運用できること、オープンソースを業務に活用できることの裏付けになります。


LinuCはステップアップ式の資格となっているため、まずはLinuCレベル1の取得を目指しましょう。

試験内容

LinuCレベル1の試験内容は、Linuxシステムの構築や運用、管理に関する60問ほどの問題を90分以内で解答していきます。


出題範囲は、Linuxシステムに関する基本操作やLinuxディストリビューションの知識、システムに欠かせないネットワークやセキュリティの基本設定などです。


また、クラウド構成技術に必要な仮想化とコンテナの基礎知識に加えて、オープンソースの深い造詣も求められます。

101試験 出題範囲・Linuxのインストールと仮想マシン・コンテナの利用
・ファイル・ディレクトリの操作と管理
・GNUとUnixのコマンド
・リポジトリとパッケージ管理
・ハードウェア、ディスク、パーティション、ファイルシステム
102試験 出題範囲・シェルおよびスクリプト
・ネットワークの基礎
・システム管理
・重要なシステムサービス
・セキュリティ
・オープンソースの文化

出典:LinuCレベル1 101試験 出題範囲 | LPI-Japan

出典:LinuCレベル1 102試験 出題範囲 | LPI-Japan

勉強時間の目安

一般的な勉強時間としては、初心者であれば1ヶ月、経験者であれば3ヶ月程度が目安となっています。


初心者の場合は、Linuxの特性の把握に努めると良い結果につながりやすいため、未経験でもLinuCの資格は取得できます。


LinuCの資格を実務で活かすためには、暗記するだけの勉強法ではなく、仕事でどのように役立つかという点を意識して勉強すると就業後に差が出てくるでしょう。

LinuCレベル1の上位資格である「LinuCレベル2」

「LinuCレベル2」は、仮想環境を含めたLinuxのシステム設計やネットワーク構築で、アーキテクチャに基づいた設計や導入、保守、問題解決が実現できるレベルのLinux技術者を認定する資格です。


LinuCレベル2を取得することにより、Linuxシステムの設計や構築、監視、トラブルシューティングができるスキルを証明できます。


また、仮想マシンやコンテナの管理運用ができること、セキュリティやシステムアーキテクチャの基本を理解し、サービス設計や構築、運用管理ができることの裏付けになるでしょう。

試験内容

LinuCレベル2は、クラウド環境だけでなくオンプレミス環境においての知識も問われます。


主にLinuxによるシステムやネットワークの構築、応用的なサーバー構築などの問題が出題されます。異なるOSによる混在環境ネットワークの計画をはじめ、セキュリティ設定や一貫性の維持など1つ上のスキルが求められるでしょう。


また、プロジェクトをマネージメントする能力も問われるため、幅広い見識が必要になってきます。

201試験 出題範囲・システムの起動とLinuxカーネル
・ファイルシステムとストレージ管理
・ネットワーク構成
・システムの保守と運用管理
・仮想化サーバー
・コンテナ
202試験 出題範囲・ネットワーククライアントの管理
・ドメインネームサーバー
・HTTPサーバーとプロキシサーバー
・電子メールサービス
・ファイル共有サービス
・システムのセキュリティ
・システムアーキテクチャ

出典:LinuCレベル2 201試験 出題範囲 | LPI-Japan

勉強時間の目安

LinuCレベル2の勉強時間は、レベル1をパスしたばがりの人であれば約3ヶ月~半年、Linuxの実務経験がある場合は約3ヶ月が目安です。


LinuCレベル2は2つの試験を合格することで認定されます。201、202試験を合格しなければなりませんが、取得する順番は問わないため、取り組みやすいものから挑戦していくといいでしょう。


2つの試験のボリュームが大きいことから、いかに勉強時間を確保するかが重要です。

LinuCの最上位資格である「LinuCレベル3」

「LinuCレベル3」は、「混在環境」「セキュリティ」「仮想化システムや高可用性システム」という、3つの分野での高度なスキルを証明できる資格です。


LinuCレベル3には「LinuCレベル3 300 Mixed Environment」「LinuCレベル3 303 Security」「LinuCレベル3 304 Virtualization & High Availability」の3種類があります。


これらの資格を取得することで、エンタープライズレベルでの仕事ができるLinux技術者であることの裏付けになります。

試験内容

LinuCレベル3は、エンタープライズレベルでの技術力を認定する試験です。


試験内容は、Sambaを使ったユーザー管理やドメインコントロール、セキュリティやパフォーマンス調整などを行います。また、ファイルやプリントサービスをWindowsと統合した経歴が必要です。


さらにSambaとLDAP、OpenLDAPを用いた環境構築やキャパシティプランニングなども併せて出題されます。

300試験 出題範囲

・OpenLDAP の設定
・OpenLDAPの認証バックエンドとしての利用
・Sambaの基礎
・Sambaの共有の設定
・Sambaのユーザとグループの管理
・Sambaのドメイン統合
・Sambaのネームサービス
・LinuxおよびWindowsクライアントの操作
出典:LinuCレベル3 300試験 出題範囲 | LPI-Japan

勉強時間の目安

LinuCレベル3の平均勉強時間は、半年~1年程度が目安とされています。


LinuCの最難関とされるレベル3は出題範囲が広く、Sambaに関する基礎、共有の設定、ドメイン統合などから出題されます。またLinuCレベル3は、ほかのレベルと比べて合格基準が高く設定されているため、答えの精度を高めることが重要になるでしょう。


さらにキーボード入力問題も出題されるため、そちらの対策を練る必要もあります。

外国人技術者向けの「LinuC英語版」

「LinuC英語版」は外国人技術者向けに英語で実施されているLinuCです。英語版のLinuCは日本を含めた全世界に配信されており、国内外を問わず英語受験のニーズに対応し、Linux技術者のグローバルな活躍を支援するものとなっています。


試験の内容やグレードなどは日本語のLinuCと全く同じですが、公式サイトでの説明なども全て英語になっています。

Linuxの基本操作や知識を問われる「LPIC-1」

「LPIC-1」は、Linuxの基本操作や知識について問われるエントリーレベルの資格です。LPIC-1では、主にコマンドラインを使ってメンテナンスタスクを実行し、Linuxで基本的なネットワークを構成するスキルを測ります。


LPICもステップアップ式の資格となっているため、上位資格の取得を目指す場合でもまずはLPIC-1を取得する必要があります。

試験内容

LPIC-1は、101試験と102試験から出題されます。


主な試験内容は、バックアップやリストアなどの簡単な保守作業、Linuxコマンドラインを扱うユーザーへの支援などです。またワークステーションのインストール設定やLAN接続、モデム経由でのインターネット接続なども含まれます。


基本はCBT方式ですが、キーボード入力問題も出題されます。

LPIC-1試験101トピック・システムアーキテクチャ
・Linuxのインストールとパッケージ管理
・GNUとUnixのコマンド
・デバイス、Linuxファイルシステム、ファイルシステム
・階層構造規格
LPIC-1試験102トピック・シェルとシェルスクリプト
・インターフェースとデスクトップ
・管理業務
・基幹システムサービス
・ネットワークの基礎
・セキュリティ

出典:Linux Professional Institute LPIC-1

勉強時間の目安

LPIC-1の平均的な勉強時間は、1ヶ月~3ヶ月ほどが目安とされています。


難易度はさほど高くないですが、Linux経験者でも予習なしでは合格できません。そのため、問題集などで今の実力を正確に把握し、苦手な部分を補うことが大切です。


またLPIC-1は、800点中500点ほどを上回れば合格できるとされていますが、出題範囲外の問題や難題が用意されているため、想定難易度以上の準備を行っておくと安心でしょう。

LPIC-1の上位資格である「LPIC-2」

「LPIC-2」は、LPIC-1よりも実践的な知識が問われる上位資格です。中小規模の混合ネットワークを管理するスキルを認定します。


LPIC-2ではネットワークやストレージ管理、Webサーバーやメールサーバー、ドメイン、ディレクトリ構成など、幅広い範囲の問題が出題されます。また、実務経験が3年程度ある人を対象としているため、実機での試験対策を行うのがおすすめです。

試験内容

LPIC-2は、中規模までのサイトを管理するスキルの資格です。


Linux、UNIX、Windowsが混在するネットワークの設計や、安全な稼働を行うための問題が出題されます。それぞれのLANサーバーやインターネットゲートウェイ、インターネットサーバーが対象です。


また、実務だけでなくアシスタントの監督をしたり、案件内容や予算についての助言やサポートなども試験範囲となっています。


LPIC-2認定を受けるには、 「201試験」と「202試験」の両方に合格し、「LPIC-1認定」を保持している必要があります。

LPIC-2試験201トピック

・容量計画
・Linuxカーネル
・システムスタートアップ
・ファイルシステムとデバイス
・ストレージデバイスのアドミニストレーション
・ネットワーク構成
・システムメンテナンス
LPIC-2試験202トピック・ドメインネームサーバー
・ウェブサービス
・ファイル共有
・ネットワーククライアント管理
・電子メールサービス
・システムセキュリティ

出典:Linux Professional Institute LPIC-2

勉強時間の目安

LPIC-2の勉強時間の目安は、LPIC-1を取得したばかりだと3ヶ月ほど、経験者であれば半年程度とされています。


LPIC-2の取得には、順不同ながら201試験と202試験の両方に合格する必要があります。条件として、1つ目の試験の合格から5年以内に2つ目にも合格しなければなりません。


LPIC-2からは、マネージメントに絡む問題も出題されるため、幅広くポイントを押さえることが重要です。

LPICの最上位資格である「LPIC-3」

「LPIC-3」は、「混在環境」「セキュリティ」「仮想化とコンテナ化」「高可用性(HA)とストレージ」という、4つの分野での高度なスキルを証明できる資格です。


Linuxを扱う実務では、エンジニアによって専門分野がわかれるため、4つの専門分野での認定試験が設けられています。

試験内容

LPIC-3は、300試験、303試験、304試験のいずれかを合格することで得られる資格です。


300試験は、Linux、Windows、UNIXによる混合環境においてのトラブルシューティングなどが出題されます。303試験では、システム設計とサーバー構築のスキルが問われ、セキュリティに関する知識も必要とされます。


実務に活かしやすい304試験は、仮想化や高可用システムがメインです。

LPIC-3エンタープライズセキュリティ試験のトピック・暗号技術
・アクセス制御
・アプリケーションセキュリティ
・オペレーションセキュリティ
・ネットワークセキュリティ
・脅威と脆弱性の評価

出典:Linux Professional Institute LPIC-3 Security


勉強時間の目安

LPIC-3の勉強時間は、半年から1年程度が目安とされています。


LPIC-3は、LPIC-2を取得した後、すぐに勉強を開始することで合格する確率が高まります。そのため実機を使った勉強が効果的であり、実務に活用しやすくなるでしょう。


LPICのレベルを問わず、高難易度の問題は2割ほどであるため、取り組みやすい8割の問題を正確に素早く解いていくことが合格へのカギとなります。

日本語が話せる試験官のもとで受けられる「LFCS-JP」

Linux Foundation認定システム管理者(LFCS)は、Linuxシステム管理のスキルセットを証明できる資格です。Linux Foundationが主催している資格で、グローバルな評価につながる資格となっています。


主に、Linuxシステム管理者やオープンソースのキャリアをスタートした候補者を対象としている試験となっており、日本語が理解できる試験管による監督で実施されます。

対象領域運用の展開:25%
ネットワーク:25 %
ストレージ:20%
基本コマンド:20%
ユーザーとグループ:10%

出典:Linux Foundation認定システム管理者 (LFCS-JP)

RedHat系の資格試験である「Red Hat認定資格」

Red Hat認定資格は、Linuxディストリビューションの中でもエンタープライズ向けである、Red Hat系のスキルを証明できる資格です。実技試験が実施されるため、他のLinux試験よりも難易度は高いと言えるでしょう。


なお、Red Hat認定資格にはテクノロジー別、役割別に非常に多くの資格が設けられています。ここでは「Red Hat 認定システム管理者(RHCSA)」と「Red Hat 認定エンジニア(RHCE)」の2種類を紹介していくため、参考にしてみてください。

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合格するとRedHat認定システム技術者になれる「RHCSA(EX200)」

「RHCSA(EX200)」は、Red Hatを使用した大規模システムの管理や、運用に関する知識を証明できる資格です。RHCSAでは、3時間の実技試験が実施されます。


前提資格はありませんが、準備として「Red Hat システム管理 I(RH124)」と「Red Hat システム管理 II(RH134)」の受験が推奨されています。

試験の学習ポイント


・基本的なツールの理解と使用
・シンプルなシェルスクリプトの作成
・稼働中のシステムの運用
・ローカルストレージの設定
・ファイルシステムの作成と設定
・システムのデプロイ、設定、保守
・基本的なネットワーク操作の管理
・ユーザーとグループの管理
・セキュリティの管理
・コンテナの管理

出典:RHCSA 認定試験 | EX200

合格するとRedHat認定エンジニアになれる「RHCE(EX294)」

「RHCE(EX294)」は、Red Hat Ansible Automation Platformを使用したシステム管理や、多数のシステムでシステム管理タスクを実行するための知識やスキルを証明できる資格です。RHCEでは、4時間の実技試験が実施されます。


なお、RHCEを受験するには前提資格として、RHCSAを取得しておく必要があります。

試験の学習ポイント・Red Hat 認定システム管理者として担当するすべてのタスクを実行する能力
・Ansible のコアコンポーネントの理解
・ロールと Ansible Content Collections の使用
・Ansible 制御ノードのインストールと設定
・Ansible 管理対象ノードの設定
・Automation content navigator による Playbook の実行
・Ansible の Play と Playbook の作成
・Ansible モジュールによる標準的な RHCSA タスクの自動化
・コンテンツの管理

出典:RHCE 認定試験|EX294

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LPICとLinuCの受験費用

ここでは、LPICとLinuCの受験費用について解説します。(※2024年7月時点)

LPICの受験費用

LPICの受験費用は、1試験あたり16,500円(税込)です。たとえば、「LPICレベル1」を取得する場合、101試験と102試験に合格しなければならないため、合計で33,000円(税込)の受験費用が必要となります。

なお、初回受験で不合格だった場合、同一試験を5,500円(税込)にて再受験できます。ただし、1回限りとなっているので注意しましょう。
試験名受験料(税込)
LPIC-1(101試験/102試験)各16,500円
LPIC-2(201試験/202試験)各16,500円
LPIC-3各16,500円

出典:Exam Pricing 2023 - Linux Professional Institute (LPI)

LinuCの受験費用

LinuCの受験費用は、1試験あたり16,500円となっています。「LinuCシステムアーキテクト(SA01試験/SA02試験)」のみ1試験あたり27,500円(税込)になるので予め把握しておきましょう。
試験名受験料(税込)
LinuCレベル1(101試験/102試験)各16,500円
LinuCレベル2(201試験/202試験)各16,500円
LinuCレベル3(300試験/303試験/304試験)各16,500円
LinuCシステムアーキテクト(SA01試験/SA02試験)各27,500円

出典:LinuC(リナック)の受験ご案内|LPI-Japan

Linuxの資格は意味がない?

ネット上では「Linuxの資格は取得しても意味がない」という声も散見されます。Linuxの資格取得を検討している方や、取得を目指して勉強に励んでいる方にとって、意味がないというネガティブな言葉が不安要素になってしまうでしょう。

結論からいうと、Linuxの資格は、実務とマッチする内容を習得できるので、高く評価する企業も多いです。Linuxの資格を取得することで、技術力を客観的に証明できるため、キャリアアップや転職、案件獲得時の強い武器となるでしょう。

「Linuxの資格は意味がない」といわれる理由を調査した結果、下記の3つが要因だと分かりました。
  • LinuCの登場により、LPICの廃止が噂されていたため
  • 暗記問題が多いため
  • 資格より実務経験が重視されるため
「LinuC」が開発された経緯として、試験の品質問題を掲げているため、「LPICは廃止されるのではないか」という噂が広がりました。しかし、2024年8月時点でそのような発表はされておらず、存続することが予想されているので、安心感を持って試験対策に努められるでしょう。

また、IT業界では資格よりも実務経験を重視しやすい傾向にあるため、企業によっては資格が評価されない可能性があります。「Linuxの資格を取得したのに転職できない」「年収交渉を断られた」という人も一定数います。

LPIC試験・LinuC試験を受ける際の注意点と有効期限

LPIC試験とLinuC試験は、それぞれ取得までの有効期限が定められています。


どちらの試験も、レベルによっては2科目の合格が必要になり、順番を問わず期限内に合格しなければ資格取得になりません。期限を超えてしまうと、1つ目の試験の有意性がなくなってしまうため、注意が必要です。


ここでは、LPIC試験とLinuC試験を受ける際の注意点を紹介します。

LPIC試験の場合

LPIC試験のレベル1とレベル2においては、2科目に合格する必要があります。


たとえば、レベル1の101試験に合格した場合、その日から5年以内に102試験に合格しなければなりません。5年を超えてしまうと、101試験の合格が無効になり、再び101試験からやり直すことになります。


さらに、LPICが持つ有意性を保つためには、認定日から5年以内に同等以上のレベルを取得することが求められます。


出典:LPI認定資格 LPICレベル3とは (1/5)|HRzine

LinuC試験の場合

LinuC試験においても、1つ目の試験の合格から5年以内に2つ目を合格しなければなりません。


LPICと同様に、有意性を維持するためには認定日から5年以内に再認定、または上位のレベルを取得する必要があります。5年を超過してしまうと効力が失われるため、認定日を忘れないようにすることが重要です。


なおLinuC、LPICともに、同じ科目を再受験する際は、受験日から7日後でないとできません。

Linux資格取得のための勉強法

Linuxの資格勉強をする方法としては、参考書や問題集を利用する方法、認定パートナー制度を利用する方法などが挙げられます。


ここでは最後に、Linuxの資格を取得するための学習方法を紹介していきます。

認定パートナー制度を利用する

LPIC、LinuCには、資格取得のための認定パートナーが存在します。LinuCであればLPI-Japanアカデミック認定校制度、LPICであればトレーニングパートナーを利用することで、それぞれの資格勉強のサポートを受けることができます。

オンライン学習サイトを活用する

Linuxは、オンライン学習サイトが充実しているので、積極的に活用しましょう。

初心者向け・中級者向け・上級者向けなど、さまざまなオンライン学習サイトがあるので、自分のスキルレベルに合わせて選べます。

市販の参考書と同じくらいのクオリティのコンテンツが用意されていたり、無料動画を視聴できたりするので、活用することで知識が定着しやすくなるでしょう。

【おすすめのオンライン学習サイト】

問題集で知識を定着させる

試験によっては過去問題集が出版されているケースもあるため、活用してみると良いでしょう。問題集であれば、実際に本番を想定した勉強ができるため、自分のレベルを把握しながら学習を進めることができるでしょう。

「徹底攻略LPI問題集 Level1」

「徹底攻略LPI問題集 Level1」は、LPICレベル1の出題傾向を反映した505問の問題を収録した問題集です。前半では101試験の対策問題、後半では102試験の対策問題が収録されています。


また、巻末には総仕上げとして全505問の問題を掲載しており、問題一つひとつに解説もついているため、初心者でもしっかりと学習を進めることができるでしょう。


「Linux教科書 LPICレベル1 スピードマスター問題集」

「Linux教科書 LPICレベル1 スピードマスター問題集」は、LPICレベル1に対応した対策問題集です。LPICレベル1の試験の最新バージョンであるVersion5.0に対応した認定テキストです。


全504問の問題が掲載されており、LPICレベル1の出題範囲を万遍なく学ぶことができます。

参考書や過去問題集で知識を深める

試験によっては参考書が発売されているケースも多いため、参考書を活用して勉強するのも良いでしょう。参考書を利用することで、効率的な試験対策ができます。

「新Linux/UNIX入門 第3版」

「新Linux/UNIX入門 第3版」は、Linuxシステムを体系的に学習できる入門書です。LinuxディストリビューションのFedoraとUbuntuを例に、必要な知識を習得することができます。

また、付録である「UNIX主要コマンド一覧」や「Emacsとviのキー操作」も役立てることができるでしょう。

「Linux教科書 LPICレベル1」

「Linux教科書 LPICレベル1」は、LPICの中でもITエンジニアの登竜門として位置付けられているレベル1に対応した書籍です。

LPICレベル1の試験の、新バージョンであるVersion5.0に対応した認定テキストとなっているため、この1冊でしっかりと必要な知識を押さえることができるでしょう。章ごとの練習問題や模擬試験なども収録されているため、着実に知識を身につけていけます。

「1週間でLPICの基礎が学べる本 第3版」

「1週間でLPICの基礎が学べる本 第3版」は、初心者がLPICの試験対策を行うための基礎固めができる書籍です。LPICの試験範囲のみではなく、Linuxの基礎学習を目的とした内容になっています。

また、LPICの試験情報や模擬問題も収録しているため、資格取得を視野に効率的な学習が進められるでしょう。

Linuxの資格を活かしたキャリアパス


Linuxの資格を活かすことで、キャリアの選択肢が広がります。ここでは、Linuxの資格を活かした具体的なキャリアパスについて解説します。

スペシャリスト

スペシャリストとは、特定の分野に特化したエンジニアのことです。技術力を高めて、専門家として活躍したい方は、スペシャリストを選択すると良いでしょう。

とくに、Linuxのレベル3以上の資格を取得すれば、各分野のスペシャリストとして認定されます。

経済産業省が定めたITスキル標準(ITSS)のレベル3以上であれば、ITスペシャリストを名乗ることができるので、転職や案件獲得、社内評価などの面で優位に働き、年収アップが見込めるでしょう。

なお、経済産業省が発表した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、ITスペシャリストの平均年収は約842万円となっており、非常に給与水準が高いことが分かります。

ゼネラリスト

プロジェクト全体のマネジメント業務を担うのがゼネラリストです。ITスペシャリストほど高度な専門知識は必要ありませんが、幅広いIT知識やエンジニアとしての技術力が求められます。

ゼネラリストは、エンジニアチームを率いる立場ですので、コミュニケーションスキルや優れたプロジェクト管理能力が必要です。

高度な技術力よりも、技術的理解力や、まとめ役としての任務を果たせるかが問われるため、Linuxの「レベル3」以下であっても統率力があればカバーできます。


ゼネラリストは、プロジェクトマネージャーとしてチームをリードしたり、プロジェクト全体の戦略やプランを立案したりすることもあります。なお、プロジェクトマネージャーの平均年収は、600.0万円〜1100.0万円と給与幅が広く、実務経験や携わるプロジェクトの規模によって大きく異なります。

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Linuxの資格に関連するよくある質問

ここでは、Linuxの資格に関連するよくある質問に対して、Q&A形式で回答します。気になる項目があればぜひチェックして、疑問や不安を払しょくしましょう。

Linuxの中で一番簡単な資格は?

Linuxの中でもっとも簡単な資格は、「LinuCレベル1」、あるいは「LPIC-1」です。

LinuCレベル1は、初学者の場合1か月〜3か月程度の学習時間が必要だといわれています。それに対し、LPIC-1は3ヶ月〜半年必要とされているので、Linuxの中でもっとも簡単な資格はLinuCレベル1だといえるでしょう。

LPICは国家資格?ベンダー資格?

LPICは国家資格ではなく、ベンダー資格に分類されます。カナダに本拠地をおく非営利組織である「Linux Professional Institute(LPI)」が運営する世界標準の資格です。

Linuxの技術者を認定する資格として、世界中で実施されているので、日本以外の国でもエンジニアとして働くこともできるでしょう。特定のベンダーに依存しないニュートラル(中立)な資格ですので、Linuxを扱う企業への転職や案件獲得時にはアピールポイントとして役立ちます。

Linuxの試験費用はいくら?

Linuxの試験費用は、1試験ごとに16,500円(税込)かかります。たとえば、「LPICレベル1」を取得する場合、101試験と102試験に合格する必要があるので、試験費用は合計で33,000円(税込)となります。

ただし、「LinuCシステムアーキテクト(SA01試験/SA02試験)」のように1試験ごとに27,500円(税込)かかる試験もあるので、受験前に必ず確認しておきましょう。

Linux資格の合格に必要な勉強時間はどのくらい?

Linux資格の合格に必要な勉強時間は、受験する試験の種類や、現時点でのスキルレベルによって大きく異なります。比較的難易度が低い「レベル1」の場合は、実務経験があれば1か月、未経験でも3か月ほど学習期間を確保すれば取得できます。実務経験がある場合は100時間程度、初学者は150時間~200時間程度が目安です。

LPICとLinuCはどっちが難しいですか?

LPICとLinuCの難易度は、レベル1〜3まではどちらもほとんど同じです。レベル1は実務経験があれば1か月、未経験でも3か月ほど学習期間を確保すれば取得できます。IT系資格の中でも比較的難易度が低い試験だといえます。

LinuCの最難関レベルは?

LinuCの最難関レベルは「LinuCシステムアーキテクト」です。LinuCシステムアーキテクトを取得することで、最適なアーキテクチャを設定・構築できる上級エンジニアとしての証明になります。

ITSSレベル4相当のスキルレベルにあたり、IPAに「ハイレベルのプレーヤとして認められる高度IT人材」だと定義されています。

Linuxの資格を取得して技術力をアピールしよう

Linuxは多くの企業がサーバーOSとして採用しているため、資格を取得して上手く活用すれば、需要の高いエンジニアになることができます。


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この記事の監修

miraie miraie

株式会社Miraie

2007年設立のシステム開発会社。首都圏を中心にWeb・IT関連事業、コンサルティングサービス、人材派遣サービスなどを展開。 SES事業や受託開発などを中心にノウハウを蓄積しながら、関連事業へとビジネスの裾野を広げています。

監修者インフォメーション

所在地
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-12-2 クロスオフィス渋谷6階(本社)
設立
2007年7月(3月決算)
従業員数
55名(正社員)
電話
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