Pythonは今後も需要がある？将来性や身につけるべきスキルを徹底解説！

Pythonは、昨今話題のAIや機械学習によって、大きな注目を集めているプログラミング言語です。最新技術の開発をはじめ、データ分析や解析など幅広い分野で活用されています。

しかし、需要が続きそうな言語であっても、流行によって使用頻度が減ってしまう場合もあります。そのため「Pythonは今後も需要があるのか」や「どの分野であれば将来性があるのか」などと、疑問に思う方も少なくありません。

今後のキャリアを確かなものとするためにも、Pythonを学習する際は、需要や将来性を調査し、十分に理解したうえで行動することが大切です。

本記事では、Pythonの需要について、将来性のある開発分野や身につけるべきスキルなどを解説します。

【結論】AI時代の到来により、Pythonの需要・将来性は高い！

近年、AIや機械学習の技術が急激に発展しており、Pythonはその開発言語の中核を担っています。AI分野に関しては、生成AIやIoTなどの進化が今後も続くと予想されるため、この分野の開発に強いPythonの需要も続き、将来性が高いといえるでしょう。

また、企業や研究機関だけではなく、スタートアップや個人開発者からもPythonは注目されています。すでにPythonを使える人材の需要は増加傾向にあり、これに気付かず学習を後回しにすると、将来のキャリアで出遅れる可能性も否めません。

そのため、早い段階で学習をはじめ、時代の変化に対応できるように準備しておくことが大切です。

Pythonの需要・将来性が高いといわれる理由4つ

プログラミング言語はPython以外にも、JavaやPHPなど、さまざまな言語があります。それぞれ人気や流行もあるため、時代が進むにつれて使用頻度が落ちる言語も出てきます。

Pythonは比較的習得しやすいものの、一定の学習期間は必要です。もし需要がすぐになくなるようであれば、学習コストが大きなリスクになりかねません。

キャリアを進めるうえで遠回りしないためにも、Pythonの需要や将来性について調査したうえで学習に入るのがおすすめです。

ここでは、Pythonの需要・将来性が高い理由について、以下4点を解説します。

• 世界的に人気の高い言語
• 最先端技術の開発に用いられる
• データサイエンス分野での需要が高まっている
• 企業でPythonエンジニアの募集が増えている

①世界的に人気の高い言語

2024年に実施された海外調査では、回答者の約50％がPythonを支持したというデータ（※）があります。また、エンジニアとして活躍している言語のデータでも約47%がPythonを支持しており（※）、Pythonの人気の高さがうかがえます。

使用者が多いほどPythonに関する情報交換が活発で、新しい技術や使い方を素早くキャッチアップすることが可能です。

さらに、使用者が増加すると学習教材の需要も高まり、教材自体が増えることから、未経験者でも効率良くPythonを学べるでしょう。

（※）参考：2024 Developer Survey

②最先端技術の開発に用いられる

Pythonは、AIや機械学習をはじめ、ロボティクスや自動運転などの先端技術でも利用が進んでいます。

このような背景には、多様なオープンソースのライブラリやフレームワークが整備されていることが関係しています。新しいアイデアを試しやすく、実装までのスピードを高められるため、進化が早い分野といえるでしょう。

また、国際的なカンファレンスで発表される新技術の情報もPython向けに公開される機会が多く、最先端領域で活躍したい方には絶好の環境といえます。

③データサイエンス分野での需要が高まっている

企業や研究機関では、保有している大量のデータを分析し、経営やサービス開発に活かす流れが加速しています。PythonはNumPyやPandasなどのライブラリを中心に、統計解析や機械学習を手軽にできるため、データサイエンス分野でも大いに活躍できます。

さらに、Pythonはデータを視覚的に表現するのも得意なため、説得力のあるレポートやプレゼンをしやすくなるのも大きな利点です。

データ収集や分析の需要は流行に左右されにくく、今後も拡大すると考えられるため、Pythonはこの領域でも根強い需要が続くでしょう。

④企業でPythonエンジニアの募集が増えている

Pythonエンジニアは、国内外で需要が高まっており、求人サイトやエージェントでの募集が拡大傾向にあります。すでにJavaやJavaScriptに次ぐ人気言語として評価されるケースも多く、実務経験があればフリーランスや副業でも活躍することも可能です。

もし、Pythonを扱えないままでいると、こうした案件に応募できず、収入やスキルアップの機会を逃しかねません。

また、社内システムの自動化やデータ収集などにPythonを活用する企業も増えているため、将来的にはより幅広い働き方が可能になると考えられます。

開発でPythonを利用する際の注意点とは？

Pythonは学習のハードルが低く、多彩な領域で使える一方、開発内容や環境によっては注意点もいくつか存在します。Pythonの良い面だけに目を向けていると、パフォーマンスの面で顧客やユーザーの要求を満たせなくなるリスクが高まります。

Pythonの利点を活かしながらプロジェクトを成功に導くためにも、事前に注意点を把握しておくことが重要です。

ここでは、開発でPythonを利用する際の注意点について、以下3点を解説します。

1. 並列処理に向いていない
2. 処理速度が遅くなりやすい
3. スマートフォンアプリの開発には適していない

これからPythonを習得しようとしている方は特に注意しましょう。

①並列処理に向いていない

PythonにはGILという仕組みがあり、インタプリタが同時実行されることを制限します。そのため、複数の作業を同時に進める「マルチスレッド」を全面的に活かしきれないケースがあります。

実際に、高負荷なリアルタイム処理や並列計算を多用するシステムでは、C++やRustなど別の言語を組み合わせることが少なくありません。

もしこの特性を把握しないままPythonだけで実装を進めると、期待したパフォーマンスを得られず、システムの再構築が必要になる可能性もあります。

ただし、ライブラリの活用でこれらの問題を解決できる場合もあるため、並列処理をおこなう際は試してみると良いでしょう。

②処理速度が遅くなりやすい

Pythonは、コードを逐次読み取って実行するインタプリタ型言語のため、処理速度が遅くなる場合があります。CythonやPyPyを活用することで改善できるものの、開発コストや保守性に注意が必要です。

なかでも、大量アクセスが想定されるWebサービスや秒単位の遅延が問題となる分野では、処理速度問題がサービス運営に支障をきたすリスクがあります。加えて、アルゴリズム設計が不十分な場合はさらに速度低下が生じるため、最適化の知識もおさえる必要があるでしょう。

③スマートフォンアプリの開発には適していない 

AndroidやiOS向けのネイティブ開発では、JavaやKotlin、Swiftなどが主流であり、Pythonでスマートフォンアプリを作る事例はまだ限られています。

フレームワークを使用することで、Pythonでも開発は可能なものの、公式ドキュメントや情報量が充実しているわけではありません。また、スマートフォン端末特有のハードウェア制約を踏まえた処理最適化が必要になり、Pythonでは対応が難しくなるケースがあります。

これらの点から、大規模なモバイルアプリを安定して運用したい場合は、Python以外の言語を検討するほうが良いでしょう。

Pythonエンジニアの仕事内容とは？実案件をもとに業務や特徴を紹介

Pythonエンジニアはプログラミングだけでなく、インフラ設計やデータ分析、システム保守などの多様な業務を担当することになります。

担当する業務・作業内容によっては、PythonだけではなくJavaやC言語、統計解析、機械学習などの知識やスキルも求められます。そのため、案件やプロジェクトに参画してから、ミスマッチに気付かないためにも、事前に案件ごとの仕事内容や必要なスキルをおさえておくことが大切です。

ここでは、Pythonエンジニアの仕事内容や特徴について、以下5点を紹介します。

1. システム開発
2. AIプラットフォームの構築
3. データ分析の支援
4. 新サービスの導入や運用保守
5. システムの設計

Pythonエンジニアを目指している方は、実際の案件なども参考にしてみると良いでしょう。

①システム開発

ある案件では、既存APIの保守や機能追加、テスト強化などをおこなう内容となっています。実際の業務では、Pythonコードの読解やバグ修正に加え、コードレビューやドキュメント作成を通じた改善などを担当することがあります。

システム開発では、リリース後の不具合対応や新機能要望など、予想外の事態に発展する場合もあるため、素早い対応力が欠かせません。

開発に関しては複数人で担当することもあるため、運用テストの計画や運用ルールの見直しなど、チーム連携を強化して品質を高めていく点も大切です。

②AIプラットフォームの構築

ある案件では、AI活用システムをリニューアルし、機械学習モデルの開発やデータパイプラインの構築をおこなう内容となっています。

実際の業務では、運用設計やモデルの精度検証、チューニングの機会が多く、成果を出すには継続的なテストが欠かせません。Pythonの知識やスキルはもちろん、根気強く作業に取り組む姿勢も必要といえます。

また、案件によってはJavaやC言語、クラウドサービスを併用しながら開発を進めるため、Python以外のスキルも身につけておくと良いでしょう。

③データ分析の支援

ある案件では、企業の膨大なデータをクレンジングし、統計解析や機械学習で課題解決をおこなう内容となっています。データ分析では、クライアントへの報告も業務の一環となるため、データベースやBIツールを用いて、わかりやすくレポートをまとめるスキルが求められます。

また、分析結果を踏まえた施策提案や意思決定プロセスの改善に関わることもあり、関係部署との連携や報告体制を整えておくことも重要です。

さらに、データは公共分野で扱われることもあるため、セキュリティやプライバシー保護への配慮、運用ルールの遵守など、慎重な対応が不可欠となります。

④新サービスの導入や運用保守

ある案件では、クラウドサービスの設定や運用マニュアル作成などをおこなう内容となっています。

導入から運用保守までの案件では、業務内容が幅広いことから複数人でチームを組んで作業することもあります。新サービスの導入では、複数サービスを組み合わせて課題を解決する機会が多いため、ほかのメンバーとのコミュニケーション力が欠かせません。

このように、メンバーと連携する機会が多い業務のため、1人で黙々と作業を進めるより、複数人で協力して開発をしたい方に向いている案件といえます。

⑤システムの設計

ある案件では、既存システムを調査し、ネットワークやサーバーを設計する内容となっています。実際の業務では、要件定義やスケジュール管理などの業務が多く、調整能力が不足するとプロジェクト全体に影響が及ぶリスクも否めません。

さらに、障害発生時の影響をおさえる仕組みや負荷試験の計画立案など、高度なノウハウも必要です。

そのため、Pythonの経験が豊富かつ上流工程の経験があると、案件内でも貴重な人材として活躍できるでしょう。

Pythonエンジニアの年収は「500〜600万円」が相場！

Pythonエンジニアの年収は、「500〜600万円」が相場です。厚生労働省のデータによると、プログラマーの平均年収は574.1万円（※）と統計が出ているため、Pythonエンジニアの年収相場は平均的といえるでしょう。

実際の年収に関しては、担当する業務範囲や経験年数によって決まることが多いため、経験やスキルのあるエンジニアほど高い収入を得やすくなります。

また、スキルのあるエンジニアは、自分の得意分野を見つけて、フリーランスとして活動するケースもあります。フリーランスに関しても、スキルによって収入を上げることが可能であり、案件次第では1,000万円以上を目指すことも可能です。

もし、Pythonを使用した開発の仕事内容や報酬を知りたい方は、SEESでも案件を掲載しているため参考にしてみてください。

（※）参照：厚生労働省「プログラマー」

今後Pythonの開発が増えると予想される分野とは？

Pythonは最先端技術の開発をはじめ、さまざまな分野で利用が拡大しています。同じPythonを使用した開発であっても、参画する分野によっては必要な知識やスキル、開発環境の特徴などが大きく異なります。

そのため、自分がどのスキルセットを優先的に身につけるべきか判断するためにも、これから開発が増えそうな分野をおさえておくことが重要です。

ここでは、今後Pythonの開発が増えると予想される分野について、以下5点を解説します。

1. AIの開発
2. ブロックチェーンの開発
3. WebアプリケーションやWebサービスの開発
4. データの分析や解析
5. IoTの開発

①AIの開発 

近年はPythonを活用して、高度な画像認識や自然言語処理、予測モデルなどを実装する動きが加速しています。中小企業やスタートアップでもAI関連の取り組みが活発化しており、Pythonエンジニアとして参加できる余地が大きいといえるでしょう。

さらに、生成AIの分野をはじめ、新たな技術革新も進んでおり、Pythonを使って試作を重ねることでサービス化へのスピードを上げられる点が注目されています。

このように、AI開発の分野は目まぐるしく変化するため、常に最新の情報をキャッチアップする姿勢が必要です。

②ブロックチェーンの開発

Pythonは、暗号化処理や数値計算に強いライブラリを活用できます。そのため、新しい仮想通貨やトークンエコノミーを構築する際のプロトタイプ開発で選ばれることが少なくありません。

近年は、ブロックチェーン自体の需要が高まっており、セキュリティ研究や応用できる分野の拡大など、進化が進んでいます。Pythonを使ったシステム開発のニーズも今後増加すると見込まれており、それにともないPythonエンジニアの需要も高まるでしょう。

③WebアプリケーションやWebサービスの開発

Pythonには、DjangoやFlaskなどのフレームワークが揃っているため、Webアプリやサービスを短期間で立ち上げることが可能です。また、SNS機能やユーザー管理などの基本機能を比較的容易に実装できることから、スタートアップを中心に導入が進んでいます。

学習コストが低いという利点もあり、事業アイデアの検証を素早くおこないたい場面での利用に適しているでしょう。

これらの点から、手軽にWebアプリやサービス開発できる言語として、今後も需要が続くことが予想されます。

④データの分析や解析

Pythonはライブラリが充実しているため、大量のデータを効率良く分析・解析できる言語です。

現在は、企業のマーケティング分野や研究機関で、NumPyやPandasなどのライブラリを活用した統計処理や可視化が進められています。

今後は、ビッグデータやリアルタイム分析の需要拡大が見込まれるため、コストを抑えながら柔軟にデータソースを扱えるPythonへの注目がさらに高まるでしょう。その結果、Pythonを導入する企業や研究機関は一段と増加すると考えられます。

⑤IoTの開発

Pythonは軽量な実行環境を備えているため、小型デバイスや組み込みシステムでも開発が容易なのが大きな特徴です。

マイコン向けのMicroPythonを活用することで、センサー情報をリアルタイムで処理し、クラウド連携によるデータ可視化もスムーズにおこなえます。

このように、軽量かつ開発しやすいPythonには、複雑化するIoTシステムを支える大きな可能性があるといえるでしょう。今後もIoT分野では需要が高まり、IoTの進化にあわせてPythonエンジニアの活躍の場が一層拡大すると予想されます。

Pythonエンジニアとして活躍するために身につけるべきスキルとは？

Pythonの需要が高いとはいえ、基本的な知識やスキルを身につけただけでエンジニアとして活躍できるわけではありません。たとえば、Pythonの需要があるAI開発分野では、数学理論や機械学習など専門的な知識が求められます。

もちろんPythonの基礎知識やスキルだけでも活躍できる可能性はあるものの、対応できる業務の幅が狭く、仕事の獲得が難しくなるでしょう。汎用性や市場価値の高いエンジニアになるためにも、必要に応じて知識やスキルをアップデートすることが大切です。

ここでは、Pythonエンジニアとして活躍する際に身につけるべきスキルについて、以下5点を解説します。

• AIや機械学習の知識
• データ分析スキル
• サーバー管理の知識
• マネジメントの経験
• 英語力

①AIや機械学習の知識

Pythonエンジニアとして活躍したいのであれば、AIや機械学習の知識を勉強しておくのがおすすめです。PythonはAI開発との親和性が高いため、AIや機械学習に関する知識があることで、業務内容の幅も広がるでしょう。

ただし、AIや機械学習は専門性が高い内容のため、学習難易度は高いといえます。まずはPythonエンジニアとして知識や経験を積みつつ、AIや機械学習の開発に関わる準備を進めるのが良いでしょう。

②データ分析スキル

大規模データを分析し、経営や開発に役立てる動きは今後も活発化が見込まれます。そのため、Pythonエンジニアとしてデータ分析スキルを身につけることで、扱える業務の幅が大きく広がるでしょう。

分析結果を活用し、課題解決の提案までできるエンジニアは、企業から重宝される存在といえます。

なお、統計やアルゴリズムなどは数学的要素も多い分野のため、数字を扱うのが得意な方におすすめです。

③サーバー管理の知識

開発したアプリケーションを安定して動かすには、サーバーやネットワークの設定、クラウドサービスの運用など多角的な知識が不可欠です。また、クラウドサービス（AWSやGCP）に関する理解があると、インフラ構築や障害対応をする際に役立ちます。

サーバー関連でおさえておくべき知識は多いものの、一度理解しておくとトラブル対応や保守の際にも活かせるため、Pythonの知識とあわせて学習しておくのがおすすめです。

④マネジメントの経験

Pythonのスキルだけではなくマネジメントスキルも身につけておくと、リーダー的な役割を担えて、業務の幅も広がります。

具体的にはPL（プロジェクトリーダー）やPM（プロジェクトマネージャー）になれる可能性があり、プロジェクトの進捗やメンバーのタスクの管理を担当するようになります。業務量は増えるものの、プログラミングのみの場合より収入アップも期待できるでしょう。

すぐにPLやPMになるのは難しいため、後輩の指導や小さなチームでリーダーを経験しつつ、日々の業務でマネジメント力を鍛えるのがおすすめです。

⑤英語力

Pythonの最新情報は海外から発信されることが多いため、英語で情報を収集するスキルを身につける必要があります。時間が経つにつれて日本国内にも情報は伝わるものの、新しい技術をいち早くキャッチアップするためには、自ら英語で情報を得るのが得策です。

近年はWebサイト上で利用できる翻訳機能も進化しているため、英語での情報収集も比較的容易にできます。

もし、英語でのコミュニケーションが取れるのであれば、海外のカンファレンスやオープンソースプロジェクトへ参加し、最新情報を収集するのも良いでしょう。

Pythonは最先端技術の開発にともない需要が高く、将来性にも期待できる！

本記事では、Pythonの需要について、将来性のある開発分野や身につけるべきスキルなどを解説しました。

PythonはAIやデータ分析、IoTなど、多彩な分野で活用されています。また、Pythonが活用される分野は将来性が高いことから、言語自体の需要も続くことが予想されます。

一方で、すべての分野でPythonの力を最大限発揮できるわけではありません。開発分野によっては、Pythonより需要が高い言語も存在します。また、案件によっては必要な知識やスキルも異なるため、参画する分野を間違えてしまうと、Pythonの強みを活かしきれない可能性があるでしょう。

このようなことから、Pythonで活躍したい方は、需要や将来性の高い分野の開発に参画できるように、知識やスキルを磨くことが大切です。

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